掲載日時: 2008-10-28 08:00

他のLinuxディストリビューションに変更する10の理由

Linuxディストリビューションを変更するしかないとユーザーが思うにいたる理由のうち、一般的なものを10個選んで紹介する。

著者 : 文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

URL : https://japan.zdnet.com/article/20382646/

 あなたも遅かれ早かれ、Linuxディストリビューションを変更したいと強く思うようになるはずだ--それは気分転換のためかもしれないし、より現実的な理由からかもしれない。本記事では、Linuxディストリビューションを変更するしかないとユーザーが思うにいたる理由のうち、一般的なものを10個選んで紹介する。

 あなたは同じLinuxディストリビューションを何年も使い続けてきているものの、頭のどこかで何か引っかかるものを感じている--ゾンビプロセスが、他のオープンソースOSに変更するようあなたに囁きかけているのかもしれない。それが何であるのかを明確に指摘することはできないものの、確かにそこにあるのだ。初めて出会ったディストリビューションをずっと使い続けるユーザーもいる。その一方で、デスクトップ上の壁紙を変更するかのごとく頻繁にディストリビューションを変更するユーザーもいる。しかし、ほとんどのLinuxユーザーは、自らのニーズすべてを満足できるディストリビューションに落ち着くまで、他の(1~3個の)ものを試してみることになるのである。そこでこの記事の出番がやってくるというわけだ:他のディストリビューションに変更する時期が来たということを、どのようにして知ることができるのだろうか?

#1:使用しているディストリビューションが先進的過ぎる

 Fedoraのように、どちらかと言えば他のディストリビューションをテストするための環境という位置付けのディストリビューションもある(Red Hat向けにはFedoraが、SUSEにはopenSUSEがある)。こういったディストリビューションは、OSの進歩を推し進めるという観点から見ると素晴らしい働きを果たしている。ただ問題は、時代の最先端を目指し過ぎているが故に、本来の作業よりもチューンアップや修正に手間がかかるようになるという点にある。こういったディストリビューションを使う価値がほとんどないと言いたいわけではない。事実、これらのディストリビューションはLinuxの世界において素晴らしい役目を果たしている。そして、こういったディストリビューションのユーザーもデバッグやテストを行う人間として優れた役目を果たしているのである。こういったユーザーがいなければ、Red HatやSUSEといったディストリビューションは大企業レベルのイノベーションに立ち後れることになってしまったはずである。しかし、あなたの求めているものが「単に仕事をこなすための」ディストリビューションなのであれば、FedoraやopenSUSEではなく、他のディストリビューションを使用した方がよいだろう。

#2:使用しているディストリビューションのパッケージ管理システムがひどい

 概して最近のLinuxパッケージ管理システムは素晴らしいものとなっている。しかし、必要なものが簡単に見つかるユーザーフレンドリーなGUIを備えたディストリビューションであるからといって、その根底にあるシステムがあなたに合っているとは限らないのである。このトピックを、古くからある「vi対Emacsの争い」と同系列のものとして扱ってしまうことは簡単である。rpmベースのディストリビューションしか使用しないというユーザーがいる一方で、debベースのディストリビューションしか使用しないというユーザーもいるのだ(もちろん、ソースベースのディストリビューションしか使用しないという筋金入りのユーザーもいる)。

 私はyumとapt-getのいずれのシステムも使用したことがある。そして、apt-getシステムはyumと比べて遙かに洗練されており、問題も起きにくいと感じているということをここで告白しておこう。実は私は長年にわたってyumを愛用し続けていたのだが、apt-getへの乗り換えは簡単だった。なぜか?両者は基本的にほぼ同じだからである(「apt-get install パッケージ名」と「yum install パッケージ名」というように)。私が乗り換えた理由は、yumパッケージマネージャの使用時にシステムがおかしくなることが多過ぎたからだ。ユーザーが悪かったんじゃないかって?そうかもしれない。

#3:使用しているディストリビューションではインストールの難しいパッケージがある

 私は最近、素晴らしいバッチ処理機能付き画像編集ソフトを見つけたため、それをUbuntuシステムとMandrivaシステムの双方にインストールすることにした。Ubuntuシステムへのインストールは簡単であった。一方、Mandrivaシステムへのインストールはというと?インストールすることができなかった。なぜか?答えは簡単だ:このアプリケーションはUbuntuのリポジトリに登録されていたものの、Mandrivaのリポジトリには登録されていなかったためである。こういった場合、このアプリケーションのMandrivaシステムへのインストールは常に困難を伴う(あるいは不可能である)ということを意味しているのだろうか?おそらくそんなことはないだろう。しかし私はその時、このアプリケーションを早急に使用する必要があったのだ(なお、今試してみたところ、該当アプリケーションは未だにMandrivaのリポジトリに登録されていない)。また、こういった状況はEnlightenmentデスクトップのインストールでも発生する。

 この素晴らしいデスクトップを簡単にインストールすることができるディストリビューションも存在している。しかし、代替デスクトップを簡単にインストールすることができないディストリビューションも(少なくとも)同じくらい存在しているのである。このため、特定のアプリケーションを必要としているものの、現在使用しているディストリビューションにはインストールできないということもあり得るのだ。こういった場合、ディストリビューションの変更は素晴らしいアイデアということになる。

#4:使用しているディストリビューションが、ソースの公開されていないドライバに依存している

 私の友人には、ソースが非公開である、あるいはプロプライエタリなソフトウェアをインストールするディストリビューションは使用したことがないし、これからも使用する気がないというLinuxユーザーが数多くいる。幸いなことに、こういったユーザーが使用できるような、100%フリーなディストリビューションは、Mandriva Freeを始めとして複数存在している。Mandriva Freeは、Mandrivaの「純粋に」フリーなソフトウェア版であると謳われている。「フリーな」エディションを使用することには良い面と悪い面がある。もちろん、フリーのソフトウェアのみを使用することで、オープンソースユーザーとしての誇りを持ってコンピュータを使用することができるようになる。しかし、「フリーな」エディションを使用する場合、ちょっとした作業を行わなければ完全に動作しない可能性もあるのだ。それでも、あなたがLinuxとオープンソースの純粋主義者であるというのであれば、ソースの公開されていないアプリケーションが含まれていないディストリビューションを使用することは魅力的であるはずだ。

#5:使用しているディストリビューションでは有償のサポートが提供されていない

 このことは、個人レベルでの使用よりも企業レベルでの使用に関係してくる話である。ともあれ、有償のサポートを提供しているLinuxディストリビューションもあれば、提供していないディストリビューションもあるということは事実である。FedoraやSUSE、Mandriva、Ubuntuに関して言えば、有償の企業向けサポートが提供されている。こういったサポートと、通常のサポート形態(フォーラムやメーリングリスト、Googleなど)を組み合わせることで、Microsoftが提供しているすべてのものに引けを取らない完全なサポートパッケージを手にすることができる。一方、有償のサポートを提供していないディストリビューションに関しては、Googleやその他のLinuxユーザー次第ということになる。このことは、多くのユーザーにとって問題とはならない。しかし、サポートが鍵となるような状況であれば、使用できるディストリビューションが限られることになるはずである。

#6:使用しているディストリビューションが、新しいハードウェアをサポートしていない

 私はこれまで、新しいハードウェアのせいで、あるディストリビューションと他のディストリビューションとの間を何度も行ったり来たりしている。ここ2~3年は、私のPalm Treo 680と連携することができないFedoraに信じられないほどイライラさせられてきた。結局、Ubuntuに乗り換えたことで、同デバイスをシンプルかつ迅速に同期できるようになった。

 私はこれまでに、iPodやプリンタ、無線ネットワーク機器、ビデオアダプタで同様の問題を経験してきた。また、これらとは別にノートPCに関する問題もある。ノートPCは、ハードウェアの組み合わせによっては、金の卵並みに貴重なディストリビューションを探し回らざるを得なくなるのだ。幸いなことに、今ではLinuxという世界のいたるところでLiveCDが用意されているため、LiveCDを挿入してマシンを起動すれば、該当ディストリビューションがあなたのハードウェアの組み合わせできちんと動作するかどうかをすぐに知ることができるようになっているのである。私の経験から言って、さまざまなハードウェアを認識する可能性の高いディストリビューションはMandrivaとPCLinuxOS、Ubuntuである。

#7:使用しているディストリビューションは、インストールしただけではさほどセキュアでない

 LinuxがWindowsよりもセキュアであるということは誰もが知っていることだ。Microsoft派が何と言おうとも、それが事実なのだ。しかし、もう1つの事実も存在している:すべてのLinuxディストリビューションが同様にセキュアであるというわけではないのである。セキュリティのことを第一義として作られているディストリビューションもある。EnGarde LinuxやTrustix Linuxは、強固なセキュリティを有したLinux OSの提供を目的とするディストリビューションである。また、FreeBSDやGentoo Linuxは実際、インストールしただけの状態でも大変セキュアなOSである。一方、Linspire Linuxはそれほどセキュアではない。そうは言ったももの、Windows VistaかLinspireのいずれかを選択しろと言われれば、私は絶対にLinspireを選択するだろう。

#8:使用しているディストリビューションのリリースサイクルが長い

 最初の項目の対極にあることとして、ディストリビューションによっては他のものよりもリリースサイクルが長いということがある。1年に2つのバージョンをリリースするUbuntu(バージョン番号の末尾が.04と.10と決められている)とは異なり、Vector Linuxといったディストリビューションのリリースは不定期であり、そのサイクルも長いものとなっている。ある意味、これは良いことである。もしも問題がないのであれば、何も修正する必要はないはずだろう?しかし、LinuxというOSは高い頻度で進化し、成長し、変化していくものなのである。セキュリティホールが発見された場合、影響するソフトウェアのアップグレードを待たなくても、そういったセキュリティホールにパッチが当てられることになるのだ。このため、最新の素晴らしいリリースには、最新のGUIだけでなく、必要なパッチすべてが含まれていることも多いのである。その良い例がKDE 4.1ではないだろうか?(ただしKDE 4.0はひどい出来であったため、この例には含まれない)。使用しているディストリビューションのリリースサイクルが長いせいで、ソフトウェアをアップグレードできないでいる(例えば、OpenOffice 2.0やGNOME 2.1をまだ使用している)のであれば、よりリリース頻度の高いディストリビューションに乗り換えるべきだろう。

#9:使用しているディストリビューションが新しいアーキテクチャをサポートしていない

 PowerPCユーザーのことに触れずしてこの記事を終えることはできない。Appleのハードウェアは多くの人にとって大変魅力的なものとなっている。しかし、ソフトウェア分野においてよりオープンなものを好む人々にとって、Mac OS XはBSDを基盤としているものの、Windowsと大差ないのである。とは言うものの、尻込みする必要はない。Appleのハードウェアをサポートするディストリビューションは数多く存在しているのだ。Yellow Dog LinuxやUbuntu、SUSE、Fedoraではいずれも、Appleのハードウェア向けのリリースが用意されているのである。すべてを正常に動作させるためにはちょっとしたコツをいくつか知っておく必要がある(例えば、無線を使用するには、無線カードのファームウェアに手を加える必要がある)ものの、いったんうまく動作させることができれば、後は問題なく使用できるはずである。

 また、ハードウェアに関しては、32ビット版から64ビット版への移行という問題もある。64ビットマシン上で32ビット版のLinuxを稼働させることは、もちろん可能であるものの、64ビット版のLinuxを稼働させたいという場合もあるはずだ。あなたがFreespireを使用しており、64ビットプロセッサの実力を最大限に活用したいと思っても、それは無理な相談なのである。

#10:使用しているディストリビューションに飽きてきている

 あなたには信じられないことかもしれないが、私は飽きたということを最大の理由としてLinuxのディストリビューションを乗り換えた人を数多く知っている。私もRed HatおよびFedora(Red Hat 4.2からFedora 8まで)を使用した後に、もう十分だろうと考え、乗り換えたのだった。他のディストリビューションはどんなものかを見てみたいという興味が先に立つ場合もある。また、あるディストリビューションで行えることをすべて行ったため、他のディストリビューションを使用してみようと考える場合もある。そんな場合にも、慣れ親しみ、信頼しているディストリビューションを捨て去ることに罪悪感を感じる必要はない。そのディストリビューションが素晴らしいものなのであれば、また使用することになるかもしれない。そしてそうならない場合でも、新たな親友とも言えるディストリビューションに出会えることになるはずだ。

乗り換えても忘れ去られず

 あなたもいつかは、他のLinuxディストリビューションに乗り換える理由を1つか2つは持つことになる--そしてその理由は本記事で挙げたいずれかの項目となっているはずだ。乗り換える理由が特定のニーズにあるのか、単なる退屈から来る気まぐれなのかにかかわらず、WindowsからLinuxという大きな1歩を踏み出させてくれたディストリビューションのことを忘れないでほしい。そのディストリビューションはあなたの心の片隅で常に特別な位置を占めることになるはずだ。私自身も、初めてインストールしたLinuxディストリビューションのインストールディスクをまだ持っている。私はそのディスクを、ずっとこの先もオフィスに保管しておくつもりだ。私のコンピューティングライフに自由をもたらす鍵となったディストリビューションだからである。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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