掲載日時: 2008-12-04 18:53

ゴスリング氏、Javaの最新動向を説明:JavaFXとWiiの連携アプリも登場

Sun Tech Days 2008 in Tokyoにサンのジェームズ・ゴスリング氏が登場した。2年連続で来日したJavaの父は、GlassFish v3 Prelude、NetBeans 6.5、JavaSE、そしてJavaFXについて縦横無尽に語っている。そしてもちろん、好例のTシャツ投げも行われた。

著者 : 杉山貴章(オングス)

URL : https://japan.zdnet.com/article/20384785/

 12月2日から4日の3日間、東京ミッドタウン・ホールにおいてサン・マイクロシステムズによる「Sun Tech Days 2008 in Tokyo」が開催された。「ADVANTAGE:YOU」というテーマで行われた今年のSun Tech Daysは、合計48のセッションと5つのハンズオンによって、JavaやSolarisをはじめとしたサンが提供する様々な技術に関する最新の情報が参加者に伝えられた。

 本稿では初日に行われたJames Gosling氏によるキーノートセッションの様子をお伝えする。

Sun MicrosystemsのVice PresidentでSun Fellowも務めるJames gosling氏 Sun MicrosystemsのVice PresidentでSun Fellowも務めるJames gosling氏

 本キーノートのメインスピーカーであるGosling氏からは、Java周辺技術に関する最新の動向が伝えられた。

 同氏が近年繰り返し指摘しているのは、Javaがすでに1つのプログラミング言語の枠を離れ、マルチランゲージ、マルチデバイスのハブ的存在になっているということだ。現在では様々なデバイス上でJavaVMが動作する。また、各種スクリプト言語のように様々な言語のJavaVM版の実装が存在する。Java言語自体はすでに世界中のあらゆる場所に浸透しているが、今後は言語の枠にとらわれないJavaVMを中心とした様々な展開が期待できるだろう。

GlassFish v3 Prelude

 5月に行われたJavaOne以来の新しいリリースとしては、まずGlassFish v3 Preludeがある。これは正式リリースではないが、v3ではモジュール化された新しいアーキテクチャを採用しており、アプリケーションサーバの新しい展開を見せてくれるものである。

 v3はOSGiベースのマイクロカーネルに必要なモジュールを追加するかたちで動作するため、不要なモジュールを導入する必要はなく、その最小サイズは100Kbyte以下と極めて軽量。これによって小さなデバイスへの組み込みも可能となる。

NetBeans 6.5

 このGlassFish v3 PreludeをバンドルしてリリースされたのがNetBeans 6.5だ。NetBeans 6.5では多言語対応に力が入れられており、PHPやRubyおよびRuby on Railsなどを用いたアプリケーション開発がサポートされた。Gosling氏によると、「今後サポートする言語はもっと増えていくだろう」とのことである。

Java SE 7

 Javaの本体であるJava SEについてはどうなっているのだろうか。Java SE 7については正式なリリース時期は決まっていないが、Gosling氏の予測では今から1年から1年半後くらいになるのではないかとのこと。Java SE 7ではモジュラリティやダイナミック言語のサポート、New I/O 2、Swingアプリケーションフレームワークなど、興味深い新機能が提供される。クロージャが本当に導入されるのかも気になるところだ。

 現行のJava SE 6はUpdate 10がリリースされている。Update 10では最低限のランタイム機能だけを持った「Java Kernel」が導入された。これは初回インストール時の負担を軽減するためのもので、その他のランタイム機能は必要に応じて随時ダウンロードされる。これと同時にブラウザプラグインも新しくなり、アプレットがネイティブのランタイムで動作するように変更されている。このことはJavaFXのデプロイメントとも大きく関わっている。

JavaFX

 そのJavaFXだが、12月4日にJavaFX 1.0が正式リリースされることが、この場で発表された。JavaFXはJava技術をベースとしたRIAプラットフォームであり、高度なエフェクトを有したアプリケーションを容易に開発することができる。JavaFXの展開について、Gosling氏は次のように語る。

 「現在の開発チームの構成は、昔と違って技術者だけでなくデザイナが多数参加するようになっている。したがってデザイナフレンドリーな開発環境が必要となる。SunではJavaFXによるツールチェーンを展開することでこれをサポートしていく」

JavaFXによるツールチェーン JavaFXによるツールチェーン

 JavaFXについては、キーノートに先立って興味深いデモが紹介された。1つは、NetBeans 6.5のプラグイン「NetBeans IDE 6.5 for JavaFX 1.0」によって、その場でJavaFXアプリケーションを作成するというもの。このプラグインを利用すれば、プロジェクトを作成し、パレットからソースファイルにコンポーネントをドラッグ&ドロップするだけで、JavaFXアプリケーションの雛型を作成することができる。

 極めて少ないコーディングで開発が行えるとのことで、デモではマウスに反応するエフェクトを持ったアプリケーションをものの数分で作成する様子が紹介された。

JavaFX+Wii

 もうひとつのデモはニンテンドーWiiのリモコンとJavaFXを組み合わせたもの。スクリーンの3隅にLEDを貼り付け、このLEDを頼りにスクリーンの動きをプロジェクタに設置したWiiのリモコンでトラッキングする。WiiリモコンはBluetoothでPCにデータを送り、これをJavaFXのエフェクトを利用してスクリーンに投影する。

 これによってスクリーンの動きに合わせて投影する方向や大きさ、角度を自動的に調整することができる。JavaFXでBluetoothを使う部分にはRemoteJというオープンソースのJavaライブラリを利用したとのこと。

Wiiリモコンでスクリーンの動きをトレースして映像を投影する Wiiリモコンでスクリーンの動きをトレースして映像を投影する
スクリーンは傘でもいい。傘を回すと地球も回る スクリーンは傘でもいい。傘を回すと地球も回る

 Gosling氏は最後に、次のように語って講演を締めくくった。

 「Javaの世界には様々なコンポーネントがありますが、全てがコミュニティプロジェクトです。皆さんもぜひコントリビュートしてください。ダウンロードして、使って、面白いことができたらコミュニティに報告してください」

恒例のTシャツ投げも 恒例のTシャツ投げも
司会の増月孝信氏よりねこび~んTシャツを贈られるGosling氏 司会の増月孝信氏よりねこび~んTシャツを贈られるGosling氏

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