掲載日時: 2008-12-23 08:00

LinuxがMac OS Xよりも優れている10のこと

Mac OS Xはユーザーフレンドリーだと言われているものの、筆者によるとLinuxの方がMac OS Xよりも優れていることが数多くあるという。筆者は柔軟性やポータビリティ、コストなどの点でいかにLinuxが優れているかを主張している。

著者 : 文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

URL : https://japan.zdnet.com/article/20385745/

 Mac OS Xにはユーザーフレンドリーという謳い文句があるが、Linuxに及んでいない部分がまだまだ数多くある。柔軟性からポータビリティ、さらにはコストにいたるまでのあらゆる点において、Linuxが優れているという私の主張を読んでもらいたい。

 Mac OS XがLinuxの親戚筋にあたるBSD系UNIXに基づいているという点、そして利用可能なOSの中で最もユーザーフレンドリーなものであると認識されているという点に着目した場合、みんなが好んでいるこのOSよりもLinuxの方が多くのことをずっと上手にこなせるという主張は、奇妙なものに思えるかもしれない。しかし、まずは本記事を読み進めてみてほしい。ひょっとしたらあなたの考えも変わるかもしれないのだ。

#1:柔軟性

 Mac OS Xを使ったことがあるのであれば、ユーザーフレンドリーであることは認めるものの、柔軟性はさほどないということが判っているはずだ。この観点から見た場合、Mac OS XはWindowsと大差ないのだ。あらかじめ想定されていることはできるようになっているが、そういったことがさほど多くあるわけではない。デスクトップのレイアウトが気に入らない場合、Dockを画面上のいずれかの端に動かしたり、そのサイズを変更したり、自動的に隠すことはできる。また、サードパーティーのアプリケーションやデスクトップのテーマを追加することもできる。しかしそれ以外のことは、何もできないのだ。例えば、デスクトップ上にDockだけを表示させたい(タスクバーとしての機能はデスクトップに統合しておきたい)と思ったとしよう。しかし、こういったことを実現することはできない。Windows 95における死のブルースクリーンが同OSと切っても切れない関係にあるのと同様に、タスクバーはMac OS Xとは切っても切れない関係にあるのだ。ところがLinuxの場合、話は違ってくる。タスクバーを表示させずに、その機能だけを使いたいんだって?何の問題もない。タスクバーやパネルには、どのような機能でも追加することができる。つまり、Linuxはあなたが考えるどのような設定でも受け入れてくれるのだ。それでも気に入らないというのであれば、他のデスクトップやウィンドウマネージャを選択するということもできるのだ。

#2:オープンソース

 LinuxユーザーがMac OS Xを前にして感じる最大の問題の1つにライセンスがある。Appleは、BSDカーネルを使用して自らのDarwinカーネルを作り出し、Apple Public Source License(これはFree Software Foundationによって承認されている)の下にリリースしている。そして、こういったプロプライエタリなソフトウェアのレイヤの上にMac OS Xを構築しているのだ。Appleは過去に、オープンソースコミュニティと共同でOpenDarwinも開発していた。しかし、オープンソースのDarwinをベースにしたこのOS開発が遅々として進まなかったため、Appleは4年後にプロジェクトを中止したのだ。その後2007年になって、OpenDarwinで開発された成果物を継承したかたちでPureDarwinというプロジェクトが開始された。PureDarwinプロジェクトは数々の苦難を乗り越え、その上でLinuxベースのウィンドウマネージャ(Enlightenment等)を実行できるまでになっている。しかし、Mac OS Xは未だに厳格なライセンス下にあり、Linuxのオープンさと競えるまでには至っていないのだ。

#3:コマンド行

 Mac OS Xユーザーのほとんどは、異論を唱える(つまりコマンド行など必要ないと主張する)かもしれないが、パワーユーザーであればちゃんとした管理作業を行うためにコマンド行が必須であることを理解しているはずだ。この点から見ると、Mac OS XはLinuxよりも劣っていると言える。Linuxでは、行う必要のあることすべてをコマンド行から行えるようになっている。Mac OS Xではどうかって?幸運を祈る。確かにMac OS Xにも数多くのコマンド行ツールが用意されているものの、様々な作業を行う必要のある真の管理者にとって、それだけではまだ十分ではないのだ。Mac OS Xにおけるコマンド行ツールが、このように弱い理由は私には判らない。Appleは、なぜLinuxのcoreutils(基本コマンドを集めたパッケージ)をMac OS Xに移植しなかったのだろうか?Mac OS X上でcoreutilsをコンパイルできるようにすることを目的としたプロジェクトは存在しているものの、こういったパッケージは最初から含まれている方が望ましいはずだ。coreutilsパッケージは、あなたが必要とするほとんどすべての基本的なコマンドを含んだ大規模なツールキットである。Mac OS Xでは車輪を再発明しなければならないのだ。しかも、これはcoreutilsパッケージだけの話ではない。コマンド行からインストールを行いたい場合にはどうすればよいのだろうか?そして、コマンド行からセキュリティ管理を行いたい場合にはどうすればよいのだろうか?また、コマンド行からサービスを開始/終了させたい場合にはどうすればよいのだろうか?

#4:ハードウェア要件

 私は自宅にMacを2台持っている。1台は古いiBookであり、CPUは800MHz、RAM容量は512Mバイトだ。しかし、Mac OS Xを稼働させるには、このマシンでは遅すぎるのだ。ところがこのノートPCでも、Yellow Dog Linuxであればずっと軽快に動作する。ハードウェアはそのままでOSを変えただけにもかかわらずだ。もう1台のMacは、1.2GHzのPowerPC G4を搭載し、RAM容量は1Gバイトとなっている。そして私は、これと等価なIntelマシンでUbuntu 8.10を稼働させている。これらのマシンにおけるパフォーマンスは、比較にならないほど違っているのだ。Ubuntuを稼働させているマシンは、すべての点において(ブートからアプリケーションの起動まで)高速に動作する。では、Mac OS XとUbuntuそれぞれのハードウェア要件を見てみることにしよう。

 これを見ると、Linuxの方が貧弱なマシンでも稼働できるのは明らかだ。さらに、Ubuntu 8.10はLinuxディストリビューションの中で最も最適化が行われているものというわけではない。なお、Mandriva Spring 2008はさらに貧弱なマシンでも稼働する(Mandrivaは、どのようなCPUでもRAMが256Mバイトあれば稼働すると主張している)。

 私はUbuntu 8.10よりもMac OS Xの方がずっとパフォーマンスが高いというベンチマークテストの結果を見たことがある。しかし私が実際にテストしたところ、結果はその主張とは相反するように感じた。私は、1.2GHzのPowerPC G4を搭載したiBookと、同じ1.2GHzのプロセッサ上で稼働させたUbuntu 8.10を用いて体感テストを実施したのだ。いずれのマシンも512MバイトのRAMが搭載されていた。Ubuntu機(ウィンドウマネージャはEnlightenment)では、Firefoxと、OpenOffice.orgのアプリケーション(ワードプロセッサと、表計算、プレゼンテーション)、Scribus、GIMP、Amarok、GnuCash、Thunderbird、BasKet、Audacity、GQview、Atermを動作させて初めてマシンの動作が遅くなり始めた。一方、Mac OS X機ではまったく状況が異なり、OpenOffice.orgのアプリケーションと、Firefox、Thunderbird、iTunesを動作させた時点でマシンの動作が遅くなり始めたのだ。動作が遅くなるまでに14個のアプリケーションを実行できるOSと4個のアプリケーションを実行できるOSだ。あなたの評価は異なるかもしれないが、私なら14個のアプリケーションが実行できる方に軍配を上げるだろう。

#5:セキュリティ

 最近の「PWN to OWN」競争では、Mac OS X機とWindows Vista機がハックされているものの、Linux機はその対象外となっている。もちろん、こういったことに関しては、世界中にいる数多くの専門家たちが、いずれかの陣営の観点から議論しているため、先入観の入っていない結論に到達することは、大昔から議論されているTCO(総所有コスト)に関する決定的な答えを見つけ出すことと同じくらい難しいはずだ。しかし、私は10年以上Linuxを使ってきたが、マシンやサーバに侵入されたことは一度もないと断言することができる。もちろんこの事実をもってして、Mac OS Xがセキュアでないということになるわけではない。しかしセキュリティ面において、Linuxにはより優れた備えがなされているのだ。どういうことかって?その答えはツールにある。iptablesやfwbuilderといったツールとSELinuxを用いることで、Linuxは様々なレベルでのロックダウンを様々な方法で実現できるのだ。このため、他のLinuxディストリビューションでも、こういったカーネルレベルのツールを追加することで、セキュリティレベルを強化することができるはずだ。このことから、セキュリティ面においてLinuxがMac OS Xを凌駕しているということを理解してもらえるはずだ。

#6:ポータビリティ

 Linuxは、ハードウェアからハードウェアにインストールを移行する能力についても、その他すべてのOSよりも優れている。Linuxにはポータビリティを高める不思議な力が備わっている。私は、2つのマシン間でハードディスクをそっくりそのまま差し替えたことがある。アーキテクチャが同じである限り(つまりx86マシンとx86_64マシン間の差し替えでない限り)、ほとんど調整を必要としないか、場合によってはまったく調整せずに差し替えを完了することができたと言える。一方、Mac OS Xはインストールされているマシンに釘付けされた状態となる。また、Linuxでは特定のディレクトリをマシン間で移動させることもできる。これは/homeディレクトリでもうまく機能する。マシン間で/homeディレクトリを移動させることにより、マシンの設定が一瞬で完了するわけだ。Mac OS Xの場合は、常に最初からインストールをやり直す羽目になるのだ。

#7:コスト

 これは多くの人々にとって重要であるはずだ。まず最初にOS単体のコストを挙げることができるだろう。Linuxは無料だ。それだけだ。一方、Mac OS Xは現在129ドルで販売されている。次にハードウェアのコストを見てみることにしよう。最も安価なMacBookは999ドルである。一方、Linuxを稼働させることのできるノートPCはどのような小売店でも399ドルもあれば購入できる。Macの場合、必要なソフトウェアのコストも結構な金額になるはずだ。Linuxの場合はどうなんだって?無料なのだ。ハードウェア代だけで、職場においてたいていの作業をこなすことのできるLinuxマシンが手に入るのだ。Macの場合はどうなんだって?こんな風には行かないだろう。つまり、コストを削減したいと思うのであれば(この不況下では、コストを削減したくないという人などいないだろう)、Linuxが選択肢となるはずだ。

#8:利用可能なソフトウェアの数

 驚かれるかもしれないが、Linuxで利用可能なソフトウェアの多さはMac OS Xの比ではない。私はfreshmeat.net(UNIX向けのソフトウェアとクロスプラットフォーム向けのソフトウェアを集積しているサイト)でLinux用とMac OS X用のソフトウェアを検索し、ざっくりとした感触を得てみた。検索の結果、Linux用は1万1781件、Mac OS X用は1477件がヒットした。freshmeat.netはオープンソースソフトウェア指向のリポジトリであるため、この検索は公正なものではないと指摘する方も多くいるだろう。このため私は、GoogleからMac OS X用とLinux用のソフトウェアを検索してみた。その結果、Mac OS X用は1910万件、Linux用は4570万件がヒットした。

 Linuxとその他すべてのOSを分ける観点の1つとして、Linuxには数多くの道具が用意されており、ありとあらゆる作業で利用できるという点を挙げることができる。ワードプロセッシングという作業を考えてみることにしよう。Macの場合、有名なソフトウェアとしてMicrosoft OfficeとOpenOffice.orgがあり、マイナーなものとしてBeanやNisus、Mellel、NeoOfficeがある。Linuxの場合、有名なソフトウェアとしてOpenOffice.orgがあり、マイナーなものとしてTextmakerやAbiword、Hangul、EZ、Kwrite、gedit、Nano、vi、Emacs、Flwriter、TED、Siag Office、LaTeX、EditPad Proなどがある(訳者注:これらのソフトウェアの中には、Mac OS Xで利用可能なものも含まれている)。これで判っただろう。もちろんMac OS XでもFinkを用いることでLinuxアプリケーションをインストールすることができる。これは私も試してみた。しかし、しばしばクラッシュしたりまったく動作しなかったため、これはあまり良い考えとは言えないだろう。

#9:ユーザーに対するやさしさ

 私は「ユーザーに対するやさしさ」とは逆の意味を持つ表現を思いつこうとしたものの、思いつくことができなかった。このため私と共に考えてほしい。AppleのMac OS Xが成功した理由の1つとして、OSのインタフェースをユーザーにとってやさしいものにし、ほとんどすべての作業を誰でも簡単に行えるようにしたことを挙げることができる。しかし、そういったやさしいエクスペリエンスを望まないユーザーもいるのだ。Linuxの場合、さまざまなレベルのデスクトップエクスペリエンスが用意されている。GNOMEやKDEを用いることで、Mac OS Xとよく似た、とてもユーザーにやさしいエクスペリエンスを実現することができる。あるいは、デスクトップ代わりにコンソールを使用することで、まったく逆の方向を追求することもできる。さらに、それらの中間にあるどのようなエクスペリエンスでも実現することができるのだ。Mac OS Xの場合、多くのパワーユーザーがお仕着せのエクスペリエンスに我慢させられている。Linuxの場合、何も手を付けずに、当面そのままにしておくということもできるし、まったく別のものにすげ替えてしまうということもできる。Appleのデスクトップを使用する場合、Mac OS Xにすべてのコントロールを任せることになる一方、Linuxのデスクトップを使用する場合、あなたがすべてをコントロールできるようになるのだ。

#10:キーボードの効率性

 私がMac OS Xに対して感じている最大の不満の1つは、通常の機能を持ったDelキーがない(訳者注:ワイヤードキーボードにはある)ということである。この機能を使うには、fnキーを押下しながらDelキーを押下しなければならないのだ。これはMac OS Xのキーボードを使用する際の常識であり、バリバリのプログラマーにとっては、サラダが健康に良いというのと同じくらい当たり前のことなのだ。しかも問題はDelキーだけに留まっていない。Endキー(訳者注:ワイヤードキーボードにしかない)も私の期待通りに動作してくれないのだ。カーソルを行末に移動させたい場合、fnキーを押下しながらEndキーを押下しなければならないのだ(つまりfnキー+Endキーでカーソルが行末に移動するようになっている。訳者注:Commandキーを押下しながら右向き矢印キーを押下することでも、カーソルを行末に移動させることができる)。さらなる問題として、マウスボタンがある。これがAppleにとっては意味のある設計であるということは判っている。しかし多くの人々は2ボタンマウスに慣れ親しんでいるのである。一方、Linuxの場合、3ボタンマウスを使うこともできるようになっている。こういった3ボタンマウスを使用することで、コピー&ペーストを簡単に行うことも可能になるのだ(左マウスボタンを使ってテキストを反転させた状態で、中央のボタンをクリックするとペーストが実行される)。LinuxのキーボードはMac OS Xのキーボードよりもずっと効率的なのだ。

その他の問題は?

 ここまでで、LinuxがMac OS Xよりも優れていると感じている10項目を挙げてみた。いずれかがあなたにとって決定的なものとなっていただろうか?その可能性はかなりあるはずだ。この他にLinuxの方がMac OS Xよりもうまく取り扱えることがあるだろうか?あるのであれば、コメントを寄せてほしい。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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