フランスの調査会社イダテ社は、インターネットの巨大企業がいよいよ通信の世界に参入するにあたって、通信業者にとって可能なパートナーシップのビジネスチャンスと既存のビジネスエリアが直面する脅威を調査・分析している。
インターネットのトップ企業は、いくつかの非常にポピュラーな主要サービスを提供することで、驚くべき成長(トラフィック、純利益)を遂げ、強力なブランド力を打ち立てた。このビジネスモデルは、主に広告サービスと配信サービスである。これらは低い単価ではあるが、膨大な量を誇る市場である。したがって、トップレベルのオンライン企業は、新しい魅力的なサービス(いくつかの場合、無料である)を発表して、できるだけ規模を拡大することを目指している。本来は有料のサービスを、無料や底値をわるような値引きによって提供することで、ライバル社のサービス価値を損なうなどして、サービス市場におけるより大きなシェアを目指して戦っている。
しかしながら、ウェブの巨大企業に対するこの現在進行中の戦いは、通信業界と無縁ではない。新しい収益の流れを作ろうとするならば、通信会社は本来提供しているサービスを強化するか(Orange)、インターネットポータル(Yahoo!、AT&T、Google、T-Mobile)と提携して仲介者としてサービスを市場に提供することもできる。これらの提携は、実際に収益を作り出すものであり、ブログ、IM、Eメール、モバイルなどのそれぞれのサービスによって様々で、主要オペレータ、特にモバイルオペレータは、それぞれ全く異なるアプローチを行っている。
しかし、ポータルの需要は固定通信やモバイル通信を上回るほどに旺盛であり、インターネットの巨大企業は通信会社の従来の中心的なビジネスである接続にとっての脅威となるだろう。最新の開発によって、インターネットアクセス(事実上のオペレータ、Wi-Fi)、音声通信(VoIP)、テレビ、モバイルアクセス(MVNO)市場への完全な正攻法を始めるだろう。
インターネット巨大企業の新しい動きは通信会社を脅かすかもしれないが、やや誇張されすぎているかもしれない。
*主要なオンライン企業は、成長を確実に維持するためには、インターネット企業であるか通信会社であるかにかかわらず、ライバル社のコアサービスを提供する一方で、特にインターネット接続やVoIPなどの旗艦サービスにおいて特色のある優位性を備える必要がある
*インターネット巨大企業が通信会社に与えるといわれている脅威は、しばしば誇張されている。ウェブのトップブランドの多くは、基本的には広告収入によってアプリケーションタイプのサービスを提供している。従って、インターネット企業は、結局は通信会社と同じ土俵では戦わない。インターネット企業は、ISPやMVNOなど接続に直接関わることや、補助的なVoIPやビデオサービスを提供することに興味はない。
ウェブ巨大企業は、通信市場にどのようなインパクトを与えるのか?
*ウェブ企業は、通信会社と直接ポジション争いをするようには見えないが、理論的には、全く無害というわけではない。広告モデルに依存するため、インターネットの主要企業はサービスを破格の安値、または無料にさえしてもいいと考えている。その結果、競争原則は再構築されることとなるだろう。いい例がiTunesで、基本料金は歌に対して課金するために、モバイルオペレータは期待していたような収益を得ることができなかった
*インターネット企業の価格破壊力は非常に現実的なものであり、無料でサービスを提供するなどして、他の企業にプレッシャーを与えている。しかしこの力も、つねに熾烈な競争にさらされているICT業界の中にある。通信におけるキャリアや、CBSやDisneyなどの無料番組を試験的に提供してVoDのイニシアチブを取ろうとしているテレビ会社など、多くの主要企業が今後も適正な価格を維持したいと考えている。インターネットの巨大企業が、通信会社の脅威というよりは、固定網の広告やモバイルトラフィックなどの収益においてパートナーであるということを示している。
この調査レポートは、国別、サービスのタイプ別、主要企業タイプ別(ポータル、固定通信、無線通信)に詳細な分析を提供する。
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インターネット巨大企業と主要固定/モバイルオペレータのパートナーシップ関係
(図省略)
◆調査レポート
インターネットの巨大企業vs.通信業者:ビジネスチャンスと脅威
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