「第3四半期、業績は堅調に推移しました。非常に厳しい競争にさらされている現在の環境下で業績を伸ばしていくためには、高い成長性を秘めた分野や、2004年の年間目標である売上総利益率38%を達成できる範囲のコストで市場創出可能な分野への投資が必要となってきます。今期の営業利益が対売上9%近くまで伸び、キャリア向け事業の分野で出荷受注比率が再び1.0を上回ったことから、我々は、この第3四半期の健全な業績動向に見られた収益拡大と継続的なコスト抑制を強化していくことにより、今後の目標である二桁の収益性を達成できると確信しています。
第3四半期は、移動体通信事業の売上が前年同期比28%増と大幅に回復し、第4四半期も業績に期待が持てる結果となりました。これは、インドとブラジルでの躍進や、ロシア、アフリカ、中東および中国での事業拡大など、急成長市場に焦点を置いて事業活動を展開したことによるものです。アルカテルの多規格対応プラットフォームのEvolium(R)は、現在急増している2G、EDGE、3Gなどのハイブリッドネットワークへのニーズに十分適応できることが証明されています。移動体通信アプリケーション技術、特にビデオストリーミングおよび収束性決済などに対する投資も成果が出始めています。現在、アルカテルは買収契約を締結したスペーシャル・ワイヤレス社(Spatial Wireless)と協力し、次世代ネットワーク(NGN)向け携帯電話の主要ディスラプティブ技術に投資しており、米国携帯電話市場への参入を目指しています。
固定通信事業において、アルカテルはかなり以前からトリプル・プレイ技術に投資をしており、これにより現在世界の有線市場で優勢な状況にあることを嬉しく思います。この分野では、最近SBC社より『プロジェクト・ライトスピード』の契約を受注できたことにより、次世代IP-DSLAMおよびIPサービスルーティングの技術選択と、複雑なエンド・ツーエンドシステムの統合に焦点を置いていることの優位性が立証されました。有線市場は、過去数四半期にわたり下降もしくは水平に推移する傾向にありましたが、現在は、収益性が回復し、通信事業者のサービス提供と関連ネットワーク構成の本格的な転換期に入っています。アルカテルはこの傾向に乗じるのに最良のポジションに位置していると確信しています。
プライベート通信事業では、搬送およびセキュリティ部門から多数の受注があり、垂直的市場のインテグレーターとしてのアルカテルの戦略が利益を上げ始めています。我々はこれらの市場で新たなビジネスチャンスを開拓し、アルカテルの顧客である通信事業者がすでに使用している技術によって経営基盤を拡大するつもりです。エンタープライズ市場では、引き続きIP電話や単一相互運用管理への移行が急増しています。我々はまた、ヨーロッパで今広がっている通信事業者がその事業の一部を外注するという傾向にも後押しされております。」
●今後の見通し
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「現状の企業構造では、以前予測したとおり、ユーロの対米ドル為替の影響を除いた場合で、営業権前の希薄化後の1株当たり純利益も十分に確保でき、年間売上高は一桁台後半の伸び率を記録すると見ています。」
<業績概要>
┌───────────────┬─────┬─────┬─────┐
│ 単位:100万ユーロ │ 2004年 │ 2003年 │ 2004年 │
│(1株当たり利益/損失を除く) │第3四半期 │第3四半期 │第2四半期 │
│ │ │ 修正後 │ 修正後 │
├───────────────┼─────┴─────┴─────┘
│損益概要 |
├───────────────┼─────┬─────┬─────┐
│純売上高 │ 3,044 │ 2,753 │ 2,951 │
├───────────────┼─────┼─────┼─────┤
│営業利益 │ 271 │ 172 │ 213 │
├───────────────┼─────┼─────┼─────┤
│営業権前純利益およびMI │ 216 │ -179 │ 147 │
├───────────────┼─────┼─────┼─────┤
│純利益 │ 84 │ -284 │ 23 │
├───────────────┼─────┼─────┼─────┤
│希薄化後の1株当たり純利益 │ 0.06 │ -0.21 │ 0.02 │
├───────────────┼─────┼─────┼─────┤
│E/ADS* │ 0.08 │ -0.26 │ 0.02 │
├───────────────┼─────┼─────┼─────┤
│株数(単位:10億) │ 1.36 │ 1.34 │ 1.36 │
└───────────────┴─────┴─────┴─────┘
* E/ADSは2004年9月30日正午のニューヨークの連邦準備銀行
ユーロ/ドルレート1.24米ドルを用いて算出されています。
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■第3四半期の部門別業績概要
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┌─────────┬─────┬─────┬─────┐
|単位:100万ユーロ | 2004年 | 2003年 | 2004年 |
| |第3四半期 |第3四半期 |第2四半期 |
| | | 修正後 | 修正後 |
├─────────┼─────┴─────┴─────┘
│売上高: |
├─────────┼─────┬─────┬─────┐
│固定通信 │ 1,253 │ 1,302 │ 1,353 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│移動体通信 │ 894 │ 697 │ 714 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│プライベート通信 │ 935 │ 839 │ 929 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│その他および償却分 │ -38 │ -85 │ -45 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│合 計 │ 3,044 │ 2,753 │ 2,951 │
├─────────┼─────┴─────┴─────┘
│営業利益: |
├─────────┼─────┬─────┬─────┐
│固定通信 │ 119 │ 64 │ 136 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│移動体通信 │ 103 │ 107 │ 72 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│プライベート通信 │ 68 │ 41 │ 35 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│その他および償却分 │ -19 │ -40 │ -30 │
├─────────┼─────┼─────┼─────┤
│合 計 │ 271 │ 172 │ 213 │
└─────────┴─────┴─────┴─────┘
前年同期と比較した業績傾向についてより正確な説明を提供するため、下記のコメントは前年同期比をもとに作成されています。
●固定通信部門
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第3四半期の売上高は、ユーロの対米ドル為替の影響を除いた場合、依然軟調な傾向にあり、前年同期の13億200万ユーロから3.8%減の12億5,300万ユーロとなりました。データ、固定ソリューションの両事業は業績が大幅に伸びました。IPエッジサービスルーティング事業では様々な地域に40以上の顧客を抱えており、今期は10件以上の新規顧客を獲得しました。MSWANの売上高は、特にヨーロッパでアクセスのトラヒックが増加した結果、引き続き堅調でした。固定ソリューション事業は、特に西ヨーロッパ、南米、ロシアでトリプル・プレイサービスを早期導入したことが牽引役となって伸びを見せ、同時にNGNでも今期中国の通信事業者3社に次世代ネットワークを100万回線納める契約を受注し、引き続き勢いを増しています。光通信ネットワーク事業も、メトロ分野向けならびに無線通信事業者が既存のネットワークを拡大するためのクロスコネクトへの需要により、今期業績が伸びました。ADSLの出荷数は、1年前と比較して、中国では非常に大きく、ヨーロッパでは緩やかに伸びましたが、北米では減少したため、全体としての収益は軟調に終わりました。今期は、450万回線が出荷され、今年度の累積出荷数を1,480万回線としました。音声ネットワーク事業は、設置段階に入った新興国市場で多少増加が見られるものの、引き続き下降傾向にあります。今期中に電源システム事業の売却が合意に達しましたが、クロージング時までは固定通信部門に計上されます。
営業利益は、前年同期の6,400万ユーロに対し、今期は1億1,900万ユーロで、対売上は前年比で2倍近くまで伸びました。オプティクス事業が2期連続で好転していることに加え、データ事業での堅調な業績が収益性の向上につながりました。
●移動体通信部門
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第3四半期の売上高は、前年同期の6億9,700万ユーロから28.3%増の8億9,400万ユーロを計上しました。大量の受注残とともに第3四半期に入り、さらに新規の受注案件も加わって、全事業で堅調な伸びを見せました。移動体通信ネットワーク事業では、インド、ブラジル、ロシア、中国などの新興市場で、ネットワーク容量の追加など、2Gおよび2.5Gへのニーズの急増が見られました。3G事業も、オーストリアやポルトガルなど西ヨーロッパでの普及が進むと同時に、リビア、チュニジア、アラブ首長国連合などの新興市場での初の大量生産などにより、事業の拡大が続いています。移動体通信コア、特にNGNコア事業が米国市場で伸びています。コンテンツバリュー課金(iGGSN)事業は、リアルタイム収束性決済、ビデオストリーミングなど新機能へのニーズの急増によって今期大きく伸びたアプリケーション事業とともに業績を上げました。無線伝送事業は新製品の投入で回復基調にあります。携帯電話端末事業に関連した業務は今期中に打ち切られ、事業は廃止事業として処理されることになりました。
営業利益は前年同期の1億700万ユーロに対し、今期は1億300万ユーロを計上しました。移動体通信ネットワークは二桁の売上利益率を維持し、引き続き大きく貢献しました。
●プライベート通信部門
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第3四半期の売上高は、前年同期の8億3,900万ユーロから11.4%増の、9億3,500万ユーロでした。エンタープライズソリューション事業は、IP/PBXが特にヨーロッパで引き続き堅調な伸びを見せ、アジアでも健闘しました。今期、アルカテルは、企業やサービスプロバイダ向けにカンファレンス/コラボレーション・ソリューションを提供する米国の大手民間企業eダイヤル社(eDial, Inc.)を買収しました。Genesysは、特に米国やアジア太平洋地域の大企業向けに引き続き堅調な伸びを見せました。鉄道通信システム事業は、堅調な受注残を背景に、特にドイツやスペイン(主幹線)、イギリス(メトロ線)で大幅に成長しました。中国では、メトロ線の第一段階としてアルカテルの鉄道制御および信号ソリューション(CBTC:無線による列車制御システム)を使用して運用が開始されるという、画期的な出来事がありました。宇宙関連事業も強力な受注残に支えられて堅調で、さらにロシアの衛星通信会社より二基のペイロードを受注しました。統合およびサービス事業については、特にプライベート部門で根強い需要があります。ヨーロッパではアウトソーシングの傾向が広がっており、ベルギーの移動体通信ネットワーク用の管理運用および保守サービスにいての契約を受注したことにより、より一層その傾向が顕著になっています。
営業利益は、全部門で好業績を上げたことにより、前年同期の4,100万ユーロに対し、今期は6,800万ユーロを計上しました。
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■2004年度第3四半期の決算(未監査)
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【損益計算書】(2003年第3 四半期の数値は、電池、光ファイバー、
および携帯電話端末事業の廃止を受けて修正されています。)
純売上高 :30億4,400万ユーロ
*前年同期(27億5,300万ユーロ)比11%増
地域別売上高 :西ヨーロッパ 39%
その他のヨーロッパ 9%
北米 15%
アジア 15%
その他 22%
売上総利益率 :37.7%(前年同期:37.3%)
販売費および一般管理費(SG&A):4億9,400万ユーロ(対売上16.2%)
研究開発費(R&D):3億8,400万ユーロ(対売上12.6%)
営業損益 :2億7,100万ユーロの利益
法人税および営業権償却費計上前損益:2億4,800万ユーロの利益
以下を含む:
・転換社債の支払利息:1,100万ユーロ
・財務損失:4,400万ユーロ
・リストラ経費:1,500万ユーロ
・営業外収益:4,700万ユーロ
営業権前純損益および少数株主持ち分:2億1,600万ユーロの利益
純利益 :8,400万ユーロ
以下を含む:
・法人税等1,400万ユーロ
・関連会社の持ち分損益と中止事業で1,800万ユーロの損失
・営業権償却費で1億300万ユーロの損失
・少数株主持ち分で2,900万ユーロの損失
希薄化後の1株当たり純利益:0.06 ユーロ(1ADS当たり0.08米ドル)
営業権前0.14ユーロ(1ADS当たり0.17米ドル)
*13億6,000万株の平均を元に算出
【貸借対照表項目】
経営運転資本 :6億5,500万ユーロ(過去12ヶ月間の対売上5.4%)
現金および現金同等物:51億8,500万ユーロ
純現金 :5億1,900万ユーロ
ギアリング(借入資本率):13.7%
営業キャッシュフロー(その他の売上債権や
負債の変更前営業活動で支払われた純現金):4,400万ユーロのマイナス
用語解説
1995年証券訴訟改正法の「セーフ・ハーバー」陳述:
このプレスリリースは以下の点に関連して将来を見通した文章を含んでいます:
(i) 2004年度の年間売上高、営業利益、EPS(1株当たり利益)に関して、
制限のないアルカテルの将来の業績見通し
(ii) アルカテルのリストラプログラムが2004年にアルカテルにどのような
効果をもたらすか
(iii) 営業利益率の改善
(iv) 戦略的協力関係、買収および売却がもたらす利益
これらの将来を見通した文章は、予想と実際が異なる成果や結果を招く可能性のあるリスクや、不確実性が絡む現在の期待、予測、仮定をもとにしています。これらのリスクや不確実性には以下のものが含まれます:
・アルカテルがコスト削減やリストラプログラムを引き続き
実施することができるか、そしてこれらのプログラムが、
特に純利益について期待どおりの効果をもたらすことができるかどうか
・一般の景気状況(為替レートの変動を含む)、特にアルカテルの顧客の
事業の不確実性
・アルカテル製品・サービスへの顧客の需要
・コストと費用の管理
・国際成長
・通信業界の状況および成長率と国内外の一般的な経済状況
・上記の各要因が売上増の予想と純利益の黒字化実現に与える影響
リスクや不確実性について詳しくは、アルカテルが証券取引委員会に提出している報告書をご覧下さい。アルカテルは新情報、将来の出来事その他などの結果に関わらず、将来を見通した文章を改訂したり修正したりする意向や義務を拒否します。
<アルカテルについて>
アルカテル(ALCATEL)は、フランスを本拠とする世界屈指の電気通信システム・装置メーカーで、通信事業者やサービスプロバイダ、一般企業に対し、音声、データ、ビデオ・アプリケーションなどへの通信ソリューションを世界規模で提供しています。固定および移動通信向けブロードバンドネットワーク、アプリケーション、サービスの分野において主導的な地位を占め、ユーザー本位の“ブロードバンドワールド”の創造に寄与しています。
世界130ヶ国以上でビジネスを展開し、連結総売上高は125億ユーロ(約1兆6千億円)(2003年度)。URL: (リンク »)
<日本アルカテル株式会社>
日本では1987年より事業を展開、アルカテルの各事業部門の統合的なサービスを提供しています。
所在地:〒108-6027 東京都港区港南2-15-1品川インターシティー A棟27F/
代表取締役社長:藤井克美/創業:1961年12月、設立:1987年5月/
資本金:4億6,400万円/従業員数:80名/URL: (リンク »)
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本件に関するお問い合わせ先:
日本アルカテル株式会社
TEL:03-5715-6300 FAX: 03-5715-6333
E-mail:info@alcatel.co.jp
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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。