情報・産業機器用半導体レーザ市場に新規参入 (BW)

古河電気工業株式会社 2004年09月06日

この度、古河電工は、情報・産業機器用途向けに、波長850nmの光を発する面発光レーザ(VCSEL注1)の量産体制を確立し、本格的な販売を開始します。

今回量産を開始する商品は、GaAs(ガリウム・ヒ素)系材料をベースとしたVCSELで、発振波長850nm(ナノ・メートル:1ナノは10億分の1)、TOSA(Transmitter Optical Sub Assembly注2)の変調速度4.25Gbps(ギガ・ビット・パー・セカンド:毎秒42.5億ビット)、チップの変調速度10Gbpsという特性を持ち、海外有力メーカーに並ぶトップレベルの水準を実現しています。また、チップ(アレイ形態も含む)、チップをヒートシンクの上に搭載したCOS(Chip on Submount)や、TOSAなど、多様なラインアップを有し、お客様のご希望にあわせてカスタム化を行います。今年10月より量産を開始、当面は月産5万個の製造からスタートし、05年初めには月産10万個の量産を予定しております。



■量産化の背景

近年、インターネットの爆発的な普及によりデータ伝送速度の高速化が求められており、また、デジタル家電の急速な普及により今後家庭内及び自動車内の各機器間の通信への応用も含め光通信のさらなる普及が期待されています。一方、産業機器分野を始めとし、今般様々な領域で光センサーが用いられており、安価で高精度なセンサー(エンコーダ注3などの位置検出器)への応用も期待されております。

このような様々なニーズに対応すべく、今回当社ではチップ(アレイも含む)からモジュール形態までの量産化を行いました(カスタム仕様にも対応可能)。

面発光レーザ(VCSEL)は従来の端面発光型レーザに比べ低価格、高性能であることから様々な分野において普及が進んでおります。特に波長850nmの光を発するVCSELの場合、データコミュニケーション、FTTH、エンコーダ等のセンサー、デジタル家電、車載(自動車)などの広い応用領域での使用が可能となります。

また、TOSAの市場では、コストが安く、高速でデータ伝送が可能なギガビットイーサ注4やファイバチャネル注5といった標準に準拠したトランシーバの需要増大が期待されており、そのトランシーバに搭載される850nm VCSEL TOSAは今後大きな需要が見込まれております。更に、従来のVCSEL TOSAは2.5Gbpsが主流でしたが、ファイバチャネルでは現在4.25Gbpsへの高速化が精力的に行われております。本商品は4.25Gbpsの伝送帯域をカバーしますので、近年普及が活発化してきたファイバチャネルのデータコミュニケーションへの適用も可能です。

また、チップでは、優れたビーム安定性、10Gbpsでの動作、広い温度範囲での安定動作を実現しており、エンコーダ応用での高精度なセンシング、自動車内通信への応用が可能となります。

従来850nmVCSEL TOSAの市場は、海外勢が主流となっており、品質保証体制の充実、物流コストの削減、納期の短縮などの側面から国内供給拠点の出現が待たれておりました。古河電工は、世界シェアトップクラスの通信用レーザモジュールの製造販売のノウハウを活かし、短納期、低価格で製品を供給できる体制を確立しました。



■商品の特長

チップ

構造: 酸化型構造(Al酸化層により電流と光を制御する)

  特性: 低消費電力、高速動作(10Gbps)、

広い温度範囲での安定動作(-40~125℃)、高信頼性

  形態: チップからアレイまでカスタム仕様に対応可能

TOSA

  構造: 出力モニタ用受光素子内蔵、LC/SC両コネクタ対応

  特性: 最大動作速度4.25Gbps、

動作温度0~70℃ (オプション-40~105℃)

      同一製品、同一価格で1.25Gbps, 2.5Gbps, 4.25Gbpsに対応



お問合せ先) IR・広報ユニット TEL03-3286-3050

■データ

   チップ

   最大伝送速度 ; 10Gbps

   平均しきい値電流 ; 1.5mA       スロープ効率 ; 0.3mW/mA

   動作温度範囲 ; -40~+125℃

TOSA

ファイバ ; 50ミクロンもしくは62.5ミクロン径のGIファイバ

最大伝送速度 ; 4.25Gbps

平均しきい値電流 ; 1.5mA       駆動電流の典型値 ; 6mA @0.3mW

動作温度範囲 ; 0~+70℃ (オプション-40~105℃)



■用語説明

注1:面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)

東京工業大 伊賀健一名誉教授が発明された日本発のデバイス。従来の半導体レーザ(エッジエミッタ型)では、基板を“へき開”して原子レベルで平坦な面を作り光を取り出すのに対し、VCSELでは基板表面から光を取り出す。ビーム形状が円に近く、ファイバとの光結合が容易であること、へき開せずにウエハ検査ができる、素子分離工程がダイシング(LED、LSI等と同一の工程)であることなど、低いコストを可能にする特長をもつ。活性層上下に高い反射率をもつ半導体多層膜反射鏡(屈折率の高い膜と低い膜を繰り返し積層する)が通常配置される。



注2:TOSA(Transmitter Optical Sub Assembly)

主に出力用光ファイバ(ピグテールファイバ)付きの光デバイスに対し、光ファイバに換えて光コネクタインターフェースを有する送信用光デバイスを指す。シングルモードファイバ用には金属製のバレルが、マルチモードファイバ用にはプラスチック製のバレルが用いられる。



注3:エンコーダ

センサーの一種で、位置や回転角度などをセンシングする装置。半導体レーザを用いたものは、小型でかつ高精度を実現、ロボット分野、工作機械分野、計測機分野など幅広い分野で利用されている。



注4:ギガビットイーサ

Ethernetの伝送速度を1Gbps(1000Mbps)に高速化したLAN規格。IEEE(米国電気電子技術者協会)がIEEE802.3として標準化した。同規格には、光ケーブル、平衡型ケーブルを使用したスター型のネットワークのIEEE802.3z(通称1000BASE-SX/LX)、ツイストペアケーブルを使用するIEEE802.3ab(通称1000BASE-T)の2種類がある。


注5:ファイバチャネル

データの伝送を行うための高速シリアル・インターフェイスの1つ。物理伝送媒体として、ツイストペア・ケーブル(より対線)や同軸ケーブル、光ファイバを用い、高速伝送を可能にする。ANSIでの標準化が進められている。

配信元:日本ビジネスワイヤ 03-3239-0755 newsroom@businesswire.co.jp

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