今回開発したPTSSは、ITSSを中心に、英国のSFIA ※2、米国のSWEBOK ※3など、世界の標準的なロール(役割)モデルと言われる指標の要素をベースに、パソナテック独自のスキル策定ノウハウを反映させた新しいスキル指標です。これまで使用してきた「職種」(ex:プログラマ、システムエンジニアなど)という漠然とした定義から、新たに設定した「職域」という定義の中における具体的な「役割」でスキルを判断すると言うものです。すべての役割はフレームワークというマップの中に位置づけられるため、エンジニアは自分自身の位置の把握することができ、企業側は自社のプロジェクトの人員構成をする際に、足りない役割を把握することができます。パソナテックではPTSSに基づくキャリアカウンセリングを通して、2005年3月末までに3,000名を認定してまいります。
パソナテックは設立以来、「エンジニアの自己実現の機会提供」と「流動化における人材の最適配置」および、「常に新たな価値を創造する」ことでIT産業の発展と経済成長を促すとの信念を持ち、その実現に向け注力してまいりました。PTSSの導入により、エンジニアにはより明確なキャリアプランの構築とそれを実現するための環境の提供を、企業には最適な人材配置を通じた効率的かつ具体的なビジネスプランの実現サポートを行うことで、IT業界全体の発展に寄与していきたいと考えております。
この度のPTSS開発・導入に際し、ITSSユーザー協会の専務理事である高橋 秀典様から推奨のお言葉を頂戴いたしました。
ITスキル標準がリリースされるまでは、エンジニアのための共通指標が無かった。そのため、IT人材育成の仕組みが企業や個人にクローズされてしまい、IT業界やそのサービスを受ける側にとって大変効率の悪い状況を作り出している。また、仕事も量でカバーしていた時代は終わり、それぞれ役割を持ったエンジニアをプロジェクトの中でどう体制作るかが重要になってきている。一方で、システマティックに産官学が協同した形でIT人材育成を捉えているアジア諸国に、猛烈な勢いで質・量ともに追いつかれ追い越されようとしている。このような状況の中で、活用サイドでの普及を目的にITSSユーザー協会が活動しているが、パソナテック殿は当初から活動に積極的に参加されており、その成果が見事この「PTSS」に集約されている。まさにエンジニア個人が現在の自分と、将来のゴールを捉える現実的なソリューションとして明確な目的で提供されることは、エンジニア個人にとって喜ばしいことであり、協会としても心から歓迎したい。
特別非営利活動法人ITSSユーザー協会 専務理事 高橋 秀典
用語解説
※1 ITスキル標準(IT Skill Standard:ITSS)
ITスキル標準は、2002年12月に経済産業省が策定し各種IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標であり、産学におけるITサービス・プロフェッショナルの教育・訓練等に有用な「辞書」(共通枠組)を提供しようとするものである。11職種38専門分野、7段階のスキルレベルに分かれており、それぞれ定義されている。
※2 SFIA(Skills Framework for the Information Age)
SFIAは、英国「The SFIA Foundation」が著作権を有する「共通リファレンス・モデル」である。情報通信技術を活用して効果的なITの開発を遂行する業務領域とそれぞれの業務に必要なスキルを標準的なモデルとして提供している。スキルは1~7段階のスキルレベルに分割され、それぞれ定義されている。
※3 SWEBOK(SoftWare Engineering Body Of Knowledge)
IEEEを中心に2001年5月に制定されたソフトウエアエンジニアリングに関する知識体系。知識そのものではなく、あくまでも既存のソフトウエアエンジニアリングに関する知識を整理する知識体系となっている。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。