デロイトトウシュトーマツ調査レポートより 2008年メディア業界の主なトレンドを分析

監査法人トーマツ 2008年02月25日

From PR TIMES

-インターネット広告の前に立ちはだかる問題
-従来型テレビとインターネットテレビの共存共栄
-映画館の事業多角化

*下記は2008年1月22日配信のデロイトトウシュトーマツの
グローバルニュースリリースを翻訳し、一部解説を加えたものです。



2008年1月22日-デロイトトウシュトーマツ(本部:ニューヨーク)のTMT(Technology,Media,Telecommunications)グループは、2008年のメディア業界予測レポート“MediaPredictions:TMTTrends2008”を発表した。同レポートは、インターネット広告が2008年、消費者が抱く反感と規制当局の監視の結果として、多数の課題に直面するであろうと予測している。

2008年度の予測レポートでは、その他様々な話題を取り上げている。例えば、家庭内で使用されるメディア機器から排出される二酸化炭素量の増加やインターネットテレビと従来のテレビとの補完関係の深化、オンライン上の著作権侵害の減少と偽造コンテンツの増加、また、映画館の事業の多角化などである。

主要なトレンドは以下の通りである。


<インターネット広告の前に立ちはだかる問題>
ネット広告が誕生してから今年で15年目を迎える。最初のバナー広告が販売されて以来、ネット広告は420億ドル産業にまで成長した。しかし、ネット広告は2008年、数々の障害に直面する可能性がありうる。障害の1つとしては、ネット広告そのものに対する反感の増大であり、また、オンライン行動の追跡に対する反発が高まる恐れもある。2008年の広告業界は自らの主張を説明することが求められるだろう。インターネット広告は、例えば無料コンテンツの提供といった形でエンドユーザに報いているということを伝えなくてはならない。また、広告業界は規制の動きを注視しなければならない。ネット広告は順調に拡大すればするほど、規制当局の監視対象になるだろう。そして、インターネット広告業界は2008年、従来型のメディア・フォーマットとの競争激化に備える必要がある。

エンドユーザの潜在ニーズあるいは嗜好に合った情報を提供するといった、いわゆる“気が利いた”サービスの提供には、そのユーザの希望や嗜好の傾向を理解する必要がある。インターネットという相手の顔が見えないコミュニケーション環境において、これらの傾向を理解するには、ユーザのオンライン上での行動履歴(プライバシー情報になるが)の必要性は否めない。インターネット利用に精通したユーザは、一定のメリットが得られるという期待の反面、プライバシー情報の扱い方に対して脅威を抱きはじめている。国内においてもプライバシーマーク制度や個人情報保護法など、プライバシー情報の扱い方に関するルールが運用されているが、プライバシー情報に対する感度が高くなってきているエンドユーザに対して、それらの取り扱いの適切さをわかりやすく説明する工夫がこれまで以上に重要になってくると思われる。


<従来型テレビとインターネットテレビの共存共栄>
2008年もテレビの消滅は近いと予測されるだろう。しかし、従来型テレビ業界は今後1年を通じて、全般に好調とみられている。従来型テレビの先行きにインターネットテレビが貢献する確率も高い。こうした結果は、一部の著名評論家がインターネットテレビを従来型テレビの直接の競争相手とみなしていることを踏まえると、非常に意外に思われるかもしれない。しかし、インターネットテレビは、その質、一連のコンテンツ形式および視聴者が従来型テレビとはかなり異なる、まったく別の媒体であるように見受けられる。従来のテレビ局は、オンラインチャネルと視聴者を奪い合うのではなく、オンラインチャネルによっていかに放送コンテンツを補完または補足することができるのかを考えるべきである。インターネットテレビ局は、従来のテレビ局に勝つことよりも、従来のテレビ局にとっての新たな流通チャネルとなる役割を果たしたほうが有利であると気付く可能性がある。

インターネットによる動画配信が人気を集めているという現象をみると、画面サイズこそ異なるが、動画を見るという観点ではテレビもインターネットも同じようにみえることから、テレビがインターネットに置き換えられていくように思われるのかもしれない。しかし、エンドユーザの生活動線の視点からみると、これらの位置づけは、根本的に異なる。テレビは不特定多数に配信されたものを“受動的”に見るという意識であり、インターネットは自分の希望に即した情報を探し出して見るというエンドユーザの“能動的”意識である。コンテンツ内容も、自ずと、マス向けと各種嗜好を持つユーザセグメント向けの性格を持つであろう。ビジネスモデルにおいても、マス向けであることによって成り立つテレビの広告モデルは、嗜好によってユーザが分散する各セグメント向けコンテンツにおいて十分に機能することが難しく、新しいモデルへの試行が続けられていくであろう。このようなテレビとインターネットの性質の違いを踏まえて互いのビジネスの発展を考えていくことが重要になると考えられる。


<インターネット上の著作権侵害は減少するも偽造コンテンツは消滅せず>
世界のブロードバンド接続件数が着実に伸びることに伴ってネット上の著作権侵害も増えており、接続スピードの高速化で映画、テレビ番組およびソフトウェアの著作権侵害も可能になった。しかし2008年は、教育による啓蒙活動と、ブロードバンド・アクセスの拒否という形での処罰ならびに罰金という2段構えの対策が奏功し始めることで、ネット上の著作権侵害対策の効果が現われてくるだろう。しかしながら、ネット上のある著作権侵害の事件への対応が奏功したとしても著作権侵害全体に対する戦いが沈静化する見込みはまだ薄い。メディア業界は、海賊版に対する正規版の競争力を大幅に高める方法を模索する可能性がある。


<映画館の事業多角化>
近年、映画館は好調を維持している。興行収入は1990年代半ばから2006年まで毎年増加を続け、2006年の世界の興行収入は合計で250億ドルに達した。今後も2桁成長が予測され、先行きの見通しも明るい。映画館は過去10年間、その形態をわずかにしか革新してこなかった。しかしこうした順調な時期こそ、映画館は、その形態に改めて新機軸をもたらす方法を見直すのに最適なタイミングであるとも考えられる。デジタル方式の映画館登場がもたらしうる最大の変化は、映画制作会社とはほぼ無関係なところで生じるかもしれない。2008年には、しかるべき設備を備えた映画館が、スポーツ行事からコンサートに至る様々な映写イベントに着手する可能性がある。映画館はこれまで、主要なスポーツイベントやコンサートに観客を奪われていたのである。


このリリースに関するその他の情報、レポートは (リンク ») から入手することができます。



Note:
2008年版各業界予測レポートは、デロイトのメンバーファームのクライアントとの対話や、デロイトのメンバーファームに所属する6,000名を超えるTMT業界専門のパートナー、ディレクターおよびシニアマネジャーによる情報提供、業界アナリストとの討論、ならびに世界の主要なTMT企業の幹部へのインタビューから得られた、内部および外部からの情報をもとに作成されました。


Deloitte(デロイト)とは、スイスの法令に基づく連合組織体であるデロイトトウシュトーマツ、そのメンバーファームおよびその関係会社を指します。デロイトトウシュトーマツは、卓越したプロフェッショナルサービスとアドバイスを提供する世界各国のメンバーファームおよびその関係会社による組織体で、140カ国以上で遂行されているグローバルな戦略を通じ、クライアントサービスに注力しています。世界中で約150,000人の優れた「知的資本」といえる人材により、Deloitteは4つの専門分野(監査・税務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーサービス)で、世界の大企業の8割以上、全国規模の大企業、公的機関、地域顧客およびグローバルな成長企業にサービスを提供しています。サービスは連合組織体としてのデロイトトウシュトーマツそのものによって提供されるものではなく、また、規制上あるいはその他の理由によって、一部のメンバーファームおよびその関係会社は、上記の4つの分野のサービスを全て提供していない場合があります。
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TMTグループについて
デロイトトウシュトーマツのTMTグループは急成長するテクノロジー企業を顕彰する「テクノロジーFast50」と「テクノロジーFast500」プログラムを運営しています。TMTグループは世界中のテクノロジー、メディア、テレコミュニケーション分野の企業にサービスしてきた経験豊かなスタッフで構成されています。私たちの顧客はソフトウェア、半導体、ケーブル、メディア、出版、コミュニケーション・プロバイダー、ネットワーキング、ワイヤレス、コンピュータとその周辺機器、それらの関連事業にわたっています。

TMTスペシャリストは、ビジネスが成長して行く各段階でこれらの企業が直面する課題を理解し、成功に向けて支援することをその責務と考えています。デロイトトウシュトーマツはテクノロジー、メディア、テレコミニケーション企業の各顧客に、戦略面、金融面、実務面の支援を提供するリーダーです。




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