「Windows 7」の違法コピー対策:“正規品”から“アクティベーション”へ

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子

2009-05-08 12:45

 Microsoftは「Windows 7」で、自社の違法コピー対策/DRM技術のPR戦略を変更し、ブランディングを、これまでの「Windows Genuine」から「Windows Activation」に変える。

 このPR戦略は興味深い。Microsoftの違法コピー対策技術は、「アクティベーション」と「検証」の2つで構成されているが、最新のブランディングでは技術名で「アクティベーション」を強調することで、正規品(Genuine)かどうかの検証部分が目立たなくなる。このGenuineの部分は、厳しい取り締まり誤検出などから強い批判を浴びてきた(Microsoftは、「Windows Vista SP1」でGenuine DRM/検証の不具合のいくつかを修正している)。

 (だが、“Genuine”は完全になくなるわけではない。MicrosoftのワールドワイドGenuine Windows担当ゼネラルマネージャ、Joe Williams氏は米国時間5月7日付けで発表した報道資料で、「Windows XP」ユーザー向けにGenuineのアップデートと通知を継続する予定を明らかにしている)。

 Williams氏によると、Windows 7のアクティベーション技術は、Vistaの一部である「Software Protection Platform」を土台に構築され、いくつかの微調整が加わるという。以下に、5月7日付のWilliams氏のQAの一部を引用する。

Windows Vistaでの(違法コピー対策技術の)実装は成功しており、証拠として海賊行為は減少している。一方で、Windows 7で改善できる点についてもわれわれは認識している。一例として、Windows Vista Service Pack 1では、ログインプロセスでPCがアクティベートされない場合、リマインドとして正規品かどうかを検証するダイアログボックスが周期的に表示されていた。このダイアログボックスですぐにアクティベートするか/後でするかを選択できるが、「後でアクティベートする」を選択するボタンは15秒間待たないとクリックできなかった。顧客からは、このメッセージは注意を引くがすぐにアクティベートする必要性が理解できず、15秒間の待ち時間は不便だという意見が寄せられていた。そこで、Windows 7ではこのプロセスを改善し、「後でアクティベートする」を選択する場合、アクティベーションによりWindowsが正規品かどうかを検証できる説明を表示し、15秒待たずに、すぐにクリックできるようにする。Windows 7でこのような変更を加えることで、ユーザーは有益な通知メッセージを得られ、必要なタスクを容易に完了できる。

 Windows 7では、企業向けのアクティベーション周りも改善されるようだ。同じく、QAを引用する。

 われわれはまた、企業向けにもアクティベーションと検証を容易にできないかと考えている。たとえば、ITプロフェッショナルは、Windows 7での仮想イメージサポートとボリュームアクティベート技術を評価するだろう。Windows Vistaを開発したとき、仮想化は主としてサーバ側の技術だったが、現在多くの企業がサーバとクライアントの両方で運用環境として利用している。われわれは顧客の声を聞き、企業向け開発ツールで採用して利用しやすくした。

 結論:Microsoftは、Windows 7で違法コピー対策/DRMメカニズムを削除するわけではない。どの程度までうるさくないよう実装できるのか、注目しよう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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