マイクロソフトが11月の月例パッチをリリース

文:Ryan Naraine(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-11-12 10:11

 米国時間11月11日、Microsoftの11月の一連のパッチがリリースされ、少なくとも4件の、何百万人ものWindowsおよびOfficeユーザーに影響のある、明文化された脆弱性が修正された。

 事前に報じられていたとおり、Microsoftは2件のセキュリティ情報を公表した。1件は緊急、もう1件は重要にレーティングされており、リモートからのコード実行攻撃につながる可能性のセキュリティホールに対する修正がリリースされている。このアップデートの対象には、すべてのサポートされているバージョンのWindows(VistaおよびWindows Server 2008を含む)と、ほとんどのバージョンのMicrosoft Officeが含まれる。

 緊急のセキュリティ情報MS08-069は、単にWindowsユーザーがだまされてInternet Explorerで不正なウェブページの閲覧させられてしまっただけで、リモートでコードが実行されてしまう危険があるため、最優先で処置されるべきである。

 セキュリティ情報には次のようにある。

  • CVE-2007-0099:Microsoft XML コア サービスが XML コンテンツを解析する方法にリモートでコードが実行される脆弱性が存在します。この脆弱性は、ユーザーが特別な細工がされたコンテンツが含まれる Web サイトを表示した場合、または特別な細工がされた HTML 形式の電子メールを開いた場合、リモートでコードが実行される可能性があります。この脆弱性を悪用して、攻撃者は影響を受けるコンピューターを完全に制御する可能性があります。その後、攻撃者はプログラムをインストール、データの表示、変更、削除、または完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成する可能性があります。
  • CVE-2008-4029:Microsoft XML コア サービスが外部の文書型定義 (DTD) のエラーチェックを処理する方法に情報の漏えいの脆弱性が存在します。この脆弱性は、ユーザーが特別に細工されたコンテンツが含まれる Web サイトを表示した場合、または特別な細工がされた HTML 形式の電子メールを開いた場合、情報の漏えいが起こる可能性があります。攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、Internet Explorer の別のドメインにある Web ページから、データが読み取られる可能性があります。しかし、すべての場合において、これらの Web サイトに強制的にユーザーを訪問させることはできません。
  • CVE-2008-4033:Microsoft XML コア サービスが転送エンコードヘッダーを処理する方法に情報の漏えいの脆弱性が存在します。この脆弱性は、ユーザーが特別に細工されたコンテンツが含まれる Web サイトを表示した場合、または特別な細工がされた HTML 形式の電子メールを開いた場合、情報の漏えいが起こる可能性があります。攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、Internet Explorer の別のドメインにある Web ページから、データが読み取られる可能性があります。

 もう1件のアップデート(MS08-068)は、Microsoft Server Message Block(SMB)プロトコルに存在する、既に情報が開示されていた脆弱性を扱うものだ。現在、このセキュリティホールに対する攻撃コードがインターネット上で入手可能になっている。

  • CVE-2008-4037:ユーザーが攻撃者の SMB サーバーに接続する際、Microsoft Server Message Block (SMB) プロトコルが NTLM 資格情報を処理する方法にリモートでコードが実行される脆弱性が存在します。この脆弱性で、攻撃者によりユーザーの資格情報が再生され、ログオンしたユーザーのコンテキストでコードが実行される可能性があります。ユーザーが管理者ユーザー権限でログオンしている場合、攻撃者はこの脆弱性を悪用して、影響を受けるコンピューターを完全に制御する可能性があります。その後、攻撃者はプログラムをインストール、データの表示、変更、削除、または完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成する可能性があります。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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