あなたは上司の評価に納得していますか?--「人事考課」の正しいやり方

梅田正隆(ロビンソン)

2009-10-22 15:00

 前回(あなたはどんな職業人生を送るのか--「キャリア」について考える)は職業経歴、いわゆるキャリアについて学んだが、今回は「成果と評価」について見て考えてみよう。

 売上や利益といった現実の「数字」を、実際に会社にもたらすのは最前線で働く社員たちだ。経営者やミドルマネジメントが「稼いでこい!」と声を張り上げた回数と、社員の成績は、ほぼ関係ない。会社としてのビジネスが成功するか否かは、社員たちのやる気と業績にかかっていると言っても良い。だからこそ、マネージャーはいつも、自分の部下の業績に気を配らねばならないのである。

人事考課って何のためにやるの?

 部下の業績を管理するには、業績の良し悪しを判定する基準が必要だ。その基準は、測定することが可能な指標である必要がある。その指標において達成すべき目標を設定し、これを基準として社員の業績を評価する。

 業績評価は極めて重要な指標となる。もちろん社員は、自分の業績をしっかり評価してもらいたいと心から思っている。報酬の算定に使われるし、目標を達成できなかった場合は、何を改めるべきかを学習する好機にもなるからだ。

 上司は、ハイパフォーマー(成績優秀者)にもっと活躍してほしければ、大幅に昇給したり、昇進に必要な教育を受ける機会を与えたり、表彰して褒めたたえる、といった処遇を行う必要がある。

 さて、社員の業績を評価するために行われるのが「人事考課(人事評価)」である。人事考課とは、一定の期間における社員個別の業績を査定し、評価するプロセスのことだ。

 人事考課は、一般的には次のようなことを目的とする。

人事考課の目的 人事考課の目的。最も重要なのは、問題を発見し改善につなげることだ

 人事考課は、処遇の判断材料だけではなく、適材適所な配置を行うために利用されたり、能力開発にも活用され、人事管理において重要な役割を果たしている。しかし、しばしば人事考課に対して、不満を感じる社員も少なくない。評価結果そのものに対する信頼性や公平性について、社員が納得しているとは限らないからだ。

評価にはいろんな「エラーの素」がある

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