中国の検索サービス最大手のBaidu(百度)は、同社独自のサービスでコンシューマ向け検索ポータルサービスに乗り出すことで、瞬く間に世界の検索エンジンの4強入りを果たした。2005年の米国ナスダックへのIPO以降、更にニーズを高めるべく、ソーシャルサービスやWeb2.0的要素にチャレンジすることで、“コミュ二ティサービスを持ったサーチエンジン”を目指している。そんな同社が、世界進出の第一歩として選んだのは日本市場。早くも本年度の本サービス開始に向け、日本法人の体制構築のために大幅な人員増強を画策している。
Baiduの日本法人設立は「日本への恩返し」
中国最大手の検索ポータル「Baidu(百度)」。そのグループ創業者でCEOのロビン・リー氏は、一流のエンジニアとしても知られている人物だ。リー氏はアメリカ留学中に学んだコンピュータサイエンスを武器に、『ウォール・ストリート・ジャーナル』オンライン版の、リアルタイム金融情報システムを設計。その後、インフォシークの立ち上げに参加し、主要な検索エンジンの開発を担当した。彼が設計したリアルタイム金融システムやサーチエンジンは、今日まで広範囲に渡って各企業のウェブサイトに活用され、インターネット検索エンジン技術の分野では第一人者として目されるようになった。
その後、中国でもインターネット検索市場が広がるという信念から、リー氏は2000年に帰国。既にGoogleやYAHOO!も中国進出を果たしている中、後発の不利を覚悟の上で、Baiduを創業した。
その後の目覚しい躍進ぶりは、多くのメディアで紹介されている通りである。世界の訪問者数ランキングではGoogle、YAHOO!、MSNに次ぐ第4位となっているが、中国市場では、2006年の時点で62.1%ものシェアを獲得し、2位のGoogle(25.3%)以下を大きく引き離して、3年連続トップの座を維持している。先発の海外勢を尻目に躍進した理由について、同社は中国の文化や国民気質に合わせたオプティマイゼーションが勝因だと分析する。
中国におけるBaiduのシェア
そして、中国国内に留まらずアジア地域全体への展開を考えるようになった同社が、その足がかりとして最初に選んだのが日本だった。
日本を選んだ理由。それはリーCEOが米国留学時代に、インターンシップで参加したアメリカ松下電器で学んだ日本の経営哲学や顧客第一主義などの価値観に感激したためだといわれている。日本でチャレンジしたいと公言していたリーCEOは、「日本への恩返し」との思いから、2006年12月末にBaiduの日本法人を設立。「中国から日本、そしてアジアへ」これが世界進出の第1歩となった。
サーチエンジンはその国の文化を反映すべき
しかし、なぜ今、日本でサーチビジネスなのか。日本のユーザー分布は、YAHOO!とGoogleに集約されて既に久しい。その疑問に、Baidu日本法人の取締役を務める舛田淳氏は次のように答える。
Baidu JAPAN(百度株式会社)取締役/事業統括担当役員
舛田 淳氏
「当社は、一般に言われているようなサーチビジネスが飽和状態であるとは考えていません。まだまだ改善の余地があり、新たなサービスが創出できると思っています。サーチエンジンは、その国の文化を反映するものでなければならず、その文化を土台にした上で情報を探し出す価値は大きいのです」
既に、今年3月20日よりベータ版の試験サービスが開始されているので、試した方は多いと思う。本サービスが開始されるかなり以前に、試験サービスの公開を決定した裏には、本社エンジニアの強い意向が働いているという。
同じ漢字を使う文化から登場したエンジンとして、英語圏生まれのエンジンより有利といわれるBaiduは、日本文化と日本市場をさらに深く知り、日本のユーザーに対して何ができるのかを徹底して探りたいという強い思いがあるという。同社は本気で日本に溶け込み、2強と渡り合う覚悟で乗り込んできたことが改めて窺える。
「リー(CEO)も、本年度中には日本市場で本サービスに移行すると各方面で既に明言しています。その際には、当社が思い描いている、ある種のメッセージを込めたプロダクトを日本市場に提供できるでしょう」(舛田氏)
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