「企業のあり方がSOAを求めている」--日本BEAシステムズ代表取締役 アリイ ヒロシ氏 - (page 3)

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:岩崎史絵、写真:津島隆雄

2005-04-19 10:00

 新製品以外に、SOAというキーワードで販売を強化する予定なのは、ポータルです。先ほども申し上げたとおり、ポータルはSOAを具現化する手段として非常にわかりやすい。ワールドワイドで見るとポータルの売り上げがかなり増えているので、国内市場でも海外のSOA事例を紹介しながら、WebLogic Portalの有用性を訴求していく戦略です。ここでも、「実例をいくつでも紹介できる」という当社の強みが活かされるでしょう。ほかにも、先ほど挙げたようなサービスも充実させていく予定です。

--どんな企業でも迅速にサービスを立ち上げられる仕組みが整ってくると、企業ごとの差というのがますます見えにくくなりますね。

 そのような見方もできますが、だからといって企業ごとの差がなくなることはないと思います。というのは、SOAに載せる“サービス”をどう考えるかは企業の戦略であり、そこに時間を割く基盤が整った、ということですから。全部の企業がWebLogicを使っているからといって、全企業が同じになるわけではありません。むしろ新規サービスを迅速にデリバリーする基盤が整った分だけ、企業はますます資源を戦略に集中できるようになるわけです。こうして作り出すビジネスの形は企業特有のものであり、各社の特長がより浮き彫りになるでしょう。

 当社が標榜している「Liquid Computing」というコンセプトがこの状態を表しています。Liquid Computingとは「ビジネスのあり方によってシステムの姿を自由に変えることができる」という意味です。これが今後の企業システムの姿であり、SOAが目指すのもまさにこの点にあると思います。

アリイ・ヒロシ 氏
日本BEAシステムズ 代表取締役
1963年神奈川県横浜市生まれ(米国籍)。1985年、米国メイン州立大学で理学士号を取得後、米国ホンダのサービス部門で品質管理、製品開発部門で購買業務に携わる。その後、海上輸送サービスのSea-Land Services(シーランドサービス)の主要顧客担当マネジャーやコンテナー輸送サービスの欧州大手P&ONedlloydを経て、2000年、日本BEAシステムズに入社。営業本部長を経て2004年12月より現職。

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