ビジネス分野でどう市場を開拓するか
サーバでどのように機能性をブランド化し、展開するかは、現在検討中です。大切なのはやはり、信頼性とコストパフォーマンスの高い、スケーラブルなプラットフォームをいかに構築するかです。例えば企業システムではネットワークがあればLANやストレージなどのインターフェースが必要な材料として想定されますから、コンシューマー市場とは違ったコンポーネントにフォーカスします。しかし、ブランディングをCentrinoと同じようなイメージでできるかというとまだそこまで構想が固まってはいません。CPUとチップセット、I/O、通信機能が構成要素になるでしょう。しかし、機能をセット化してブランド展開することが、インテルの技術・製品をしっかり認めてもらううえで非常にわかりやすい方法であると認識しています。Centrinoというある“名前”でわかりやすく接続性が保証されることが、クライアント領域では購買につながりました。
具体的には、企業用途ではインテル アクティブ・マネジメント・テクノロジ(以下「AMT」)とI/O Acceralator Technology、仮想化技術、CPU技術を組み合わせることで魅力的なソリューションを提供できると考えています。AMTは不揮発性記憶領域を使ってIT資産情報(ネットワーク上の機器の構成情報や起動情報、アプリケーションの状況など)を保存し、それらをリモートで呼び出してシステムトラブルを解決するなどの用途が考えられる技術です。システム管理コストの低減につながるもので、CIO(最高情報責任者)の選択肢として非常にわかりやすいのではないでしょうか。このように、安全でスケーラブル、ハイパフォーマンス、ローコストでかつサポートも充実していて容易に展開できる技術をセットにしてブランド化し、わかりやすい選択肢として“幕の内弁当”的なセットを提供したいと考えています。
--ユーザー企業に届く製品をイメージしたときに、サーバベンダーに対してインテルのItaniumやXeonの採用を働きかけるうえではどのような点を重視されていますか。
日本にはNEC、日立製作所、富士通というすばらしいエンタープライズベンダーがあり、3社すべてでItaniumを採用していただいている。これは最終的な製品をメーカー自身が差別化できるアーキテクチャを提供することにより可能になることで、プラットフォームとしてのItaniumでは、メインフレームの技術を取り込めるように各社と協業を進めてきました。実装やRAS、ミドルウェアなどの技術は各社独自のものがあり、ベンダー側で差別化が可能となる技術体系を提供しています。