マカフィーは2月1日、2005年のビジネス戦略と、新たな製品となるMcAfee Managed VirusScanおよびMcAfee Anti-Spyware Enterprise Editionモジュールを発表した。ビジネス戦略の説明にあたった同社取締役営業統括本部長の田中辰夫氏は、「ユーザーのセキュリティに対する投資を最大限に生かすことがマカフィーの役目」と述べた。
田中氏は、顧客に適切なソリューションを提供するために、企業の規模に応じた戦略を推進していくという。まず大企業に対しては、「多様化する脅威に対応できる、高度でマルチレイヤーなソリューションを提供し、ユーザー企業の資産保全に貢献する」としている。具体的には、今回発表した企業向けスパイウェア対策製品Anti-Spywareを提供すること、ゼロデイアタックに対応する侵入防止システムIntruShieldやVirusScan Enterprise 8.0iを普及させること、フィッシングやスパムに対応したWebShieldを普及させることなどを挙げている。
マカフィー 取締役 営業統括本部長 田中辰夫氏 |
中小規模企業やSOHOに対しては、管理者不要の包括的なセキュリティソリューションを提供するという。「中小企業では、専任の管理者を持たない場合も多い。そこで今回発表するManaged VirusScanや、McAfee on-lineなどのASP製品の普及を図りたい」(田中氏)としている。
コンシューマーに対しては、今後「BtoBtoCのアプローチも強化していく」と田中氏。同氏のいうBtoBtoCとは、ウイルス対策製品のPCへのバンドルや、ISPが月額課金で提供するセキュリティサービスなどのことだ。現在PCのOEMは6社、ISPパートナーは50社以上にのぼるという。また同社のウイルス対策製品は、NTTドコモのFOMA901iにも採用されており、「モバイルセキュリティ分野をより拡張させたい」(田中氏)としている。
この戦略発表に合わせてマカフィーが同日発表した製品は、McAfee VirusScan ASaPの後継製品となるASP型オンラインウイルス対策サービスMcAfee Managed VirsuScanと、企業向けスパイウェア対策ソリューションMcAfee Anti-Spyware Enterprise Editionモジュールだ。
Managed VirusScanは、VirusScan ASaPの機能がより強化されたもの。新たな機能としてバッファオーバーフローやスパイウェア、アドウェアへの対応、スクリプトスキャン、メールスキャン、ポリシー管理機能などが追加された。リリースは3月中旬を予定しており、販売目標は「前年度のASaPより150%の成長をめざす」(マカフィー マーケティング本部 能地將博氏)としている。
Anti-Spyware Enterprise Editionモジュールは、McAfee VirusScan Enterprise 7.1および8.0iに対応したもので、スパイウェアを含む不審なプログラム(PUP:Potentially Unwanted Program)を検知し、排除するもの。オンアクセススキャンおよびオンデマンドスキャン機能があり、オンアクセススキャンでは、PUPのインストールを自動的にブロックし、メモリ上に常駐しているPUPを検知、無効化する。オンデマンドスキャンではPUPの検知、隔離、削除が可能で、レジストリ、クッキーのスキャンも行うという。リリースは3月上旬の予定で、既存のMcAfee VirusScanユーザーの25%に利用してもらうことを目標にするという。