サンフランシスコ発--コンピュータのプロセッサ同士を高速に接続する新しい手法が、今後4年以内にも登場する見込みだと、Sun Microsystemsのプロセッサ技術者が米国時間2月28日に述べた。
「proximity communication(接触通信)」と呼ばれるこの技術は、現行の設計でプロセッサ間の接続に使われているワイヤを取り払い、チップ同士を直接つなぐというもの。「2008年か2009年には何らかの成果を目にするかもしれない」と、Sunのスケーラブルシステム部門のチーフアーキテクトであるMarc Tremblayが報道陣との懇談のなかでそう語った。
Sunはこの接触通信技術を、米国防総省のDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)が資金を提供するスーパーコンピューティング・プロジェクトにあわせて開発している。2010年までに新しいハイエンドコンピュータを設計するというこのプロジェクトで、SunはIBMやCrayと競合しているが、同社では主流のコンピュータでも、この技術を利用したいと考えている。
Tremblayがこの技術と、さらにまもなく登場する「Niagara」と「Rock」(開発コード名)の両プロセッサの機能を紹介した翌日には、同社のライバルにあたるIntelが開発者向けのイベント、IDFを開催することになっている。
Sunは、UltraSparc IIIの設計が遅れたり、UltraSparc Vの開発をキャンセルするなど、これまでプロセッサ設計で何度かトラブルを抱えたことがあった。だが、いまは見通しも改善しており、特に2006年登場のNiagaraベースのシステムには明るい見通しが持てると、Microprocessor Forumの編集者Kevin Krewellは述べている。
Niagara搭載システムは2006年前半に登場の予定。さらに、Niagara 2と呼ばれる後継プロセッサも2007年または2008年に登場するが、このチップではネットワーク機能が強化され、Javaソフトウェアの性能も改善すると、Tremblayは述べている。また、Rock搭載システムは2008年に登場予定となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。