マイクロソフトのスパイウェア対策アプリ、はやくもトロイの木馬の標的に

Dan Ilett(ZDNet UK)

2005-02-10 13:22

 セキュリティ専門家らは米国時間9日、Microsoftの新しいスパイウェア対策アプリケーションを無力にしてしまう悪質なプログラムが開発されたと注意を呼びかけた。

 「Bankash-A」と呼ばれるこのトロイの木馬について、ウイルス対策専門家らは、まだベータテスト中のWindows AntiSpywareを狙った初めての悪質なソフトだと述べている。

 Sophosのシニア技術コンサルタント、Graham Cluleyは声明のなかで、「これは、Microsoft AntiSpywareを無力にするマルウェアとしては初めてのもののようだ。同製品が正式版となり、個人ユーザー市場に浸透し始めると、その効力を損なわせるようなトロイの木馬やウイルス、ワームの攻撃もさらに増えるだろう」と述べた。

 Windows AntiSpywareは、MicrosoftがGiant Company Software買収によって取得した技術を用いて、スパイウェアからWindows PCを守ることを目的に開発されたもの。スパイウェアとは、所有者の知らないうちにコンピュータにインストールされるソフトウェアで、通常は、ポップアップ広告を表示したり、ユーザーのウェブ閲覧履歴を記録したりする。

 ほかの多くのトロイの木馬同様、Bankashもパスワードやオンラインバンキングに関する詳細情報をWindowsユーザーから盗み出そうとする。同プログラムは、Barclays、Cahoot、Halifax、HSBC、Lloyds TSB、Nationwide、NatWest、およびSmileといった英国のオンラインバンクのユーザーをターゲットにしていると、Sophosは勧告のなかで述べている。

 Sophosがこのトロイの木馬を「Bankash」と呼ぶのは、これが銀行の顧客をターゲットにし、被害者のハードディスクにASH.DLLというファイルをインストールするためだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]