日立製作所は4月11日、広域災害時に対応したIT基幹システムの低コスト・高信頼ディザスタリカバリ技術を開発したと発表した。
近年では増加傾向にある地震などの広域災害。企業にとってはIT基幹システムの停止により、機会損失や賠償、現状回復など大きな問題を抱えている。今回開発された技術は、このような災害下において東京と大阪間など数百km離れた都市間でも、災害時に100%のデータをバックアップできるというもの。また、従来に比べ40%のデータ転送量でディザスタディスカバリが可能となっており、低コストかつメインシステムへの影響が小さいという特徴がある。
今回の技術ではデータベースの更新ログだけを同期転送するハイブリッドデータ転送技術を開発、メインサイトの性能を90%確保しつつ、100%データ転送の補償を実現している。さらに、データ本体の転送をする代わりにリモートサイトにコピーされた更新ログを用いてデータ本体を逐次更新するリアルタイムログ適用技術を開発。これにより、データ通信量を従来比の半分以下に削減することで、通信コストの約40%削減が可能になったという。
今回開発された広域災害対応のディザスタリカバリ技術は、同社のスケーラブルデータベース「HiRDB(ハイ・アール・ディービー)」で製品化が計画されている。