マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは5月13日、業務システムの性能監視とワークフロー管理を中心とするサービス・レベル管理(SLM)ソフトの新版「Business Availability Center 5.0」(BAC 5.0)を出荷する。ソフトウェアのライセンス出荷に加え、同ソフトを使った運用管理のアウトソーシングも提供する。
BACは、ウェブシステムの性能監視機能を中心とするサービス・レベル管理ソフト「Topaz」の後継ソフトである。従来はTopazのオプションという位置付けで、国内では2004年3月26日に出荷を始めた。今回新たに機能を追加するとともに、Topazブランドを置き換えてBACブランドを前面に押し出した格好だ。
BACの最大の特徴は、システムの障害をビジネスの視点で捉えるビューを持つ点である。サーバの障害やソフトウェアの障害、システム負荷の増大による処理性能の低下といったシステム上の監視データを、特定の業務処理やビジネス部署などのビジネス上の単位とマッピングする。システム管理者だけでなく経営者が扱えるように、ダッシュボード機能を持つ。
正常運用時の監視データと異なるデータをトリガーに、特定の業務処理が滞っていることを検知する。「誰のどの仕事の遅延がボトルネックになっているのか」、「どのサーバ機のどのリソースがボトルネックになっているのか」などを可視化させる。業務処理ごとに利益やコストに応じた優先順位を付けておくことで、処理の遅延短縮が図れる。
BAC 5.0の主な構成要素と機能は以下の通り。(1)業務システムを実際に利用するユーザーの視点で、システムの性能を計測・監視する定点観測機能、(2)システムリソースの稼働状況や性能を監視する一般的なシステム監視機能、(3)サービス品質を保証するための材料として、あらかじめ設定しておいたしきい値を超えたかどうかを計測し、要求を満たしているかどうかを管理するサービス・レベル管理機能、(4)J2EEや.NETをベースとする業務アプリケーションの性能のボトルネックを、業務単位からコードまでドリルダウン形式で粒度を細かくしていって特定する機能、(5)レポートを作成し、ポータル経由で見せる機能、その他である。
ライセンスの価格は、例えば、ユーザーの視点でシステムの性能を計測・監視する機能が480万円から。システムリソースの稼働状況や性能を監視する機能が200万円から。BACを使った運用アウトソーシングの「Mercury Managed Service」は個別対応。