NECトータルインテグレーションサービス(NTIS)は4月21日、同社が2002年より販売を始めたJavaベースの業務アプリケーション構築ツール「CGAA」に、IDSシェアー・ジャパンの提供するビジネスプロセスマネジメントツール「ARIS」を組み合わせ、新しいEAソリューションとなったCGAAを21日より販売開始すると発表した。
NTIS 代表取締役社長 西川喜勝氏
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CGAAはこれまで、製造業および流通業に向けた業務のソフトウェア部品群と、その業務部品を組み合わせたシステム開発環境、また現状分析から開発運用フェーズまでのシステム開発手順が管理できる開発方法論などを提供してきた。だが、CGAAには業務プロセスを分析するためのツールがなく、業務プロセスの設計からシステム構築に至るまでの手順や仕様変更などは、文書で管理するしかなかった。今回CGAAにARISが組み込まれたことにより、「業務プロセスを定義するだけで、自動的にプログラムが生成できるようになる」と、NTIS 代表取締役社長の西川喜勝氏はいう。
新CGAAの具体的な機能には、業務プロセス(人や物、金、情報などの流れ)をコンピュータ上で構造的に見たうえで、それを一元管理できるというものがある。この結果、無駄な業務や重複する作業を検出し、最適な業務プロセスを設計できる。また、企業全体の汎用的な業務機能構造表や、それぞれの業務の流れをパターン化したテンプレートが用意されており、業務モデリングの開発期間が短縮できる。モデリングができると、この情報からプログラムが自動的に生成できる機能を持っている。
西川氏は、「過去にはソフトウェアの寿命が5年から10年とされていたが、経営スピードが速くなるにつれ、ソフトウェアも業務に合わせて迅速に変更しなくてはならなくなった。だが、これまでのシステム開発では、業務モデリングとシステム構築が別々に行われていたため、全体を最適化できるシステムの構築が困難だった。新CGAAでは、業務モデリングとシステム構築を一体化できるため、経営とITが結びついたシステムが実現できる」とした。
CGAAは、業種および業務テンプレートが用意されている機械、電子、電気等の大手製造業や、小売、卸等の大手流通業をターゲットに販売する。価格は、業務モデリングのみを行う場合や、システムの実装にまでつなげる場合など個別対応となるため、1システムあたり5000万円から5億円程度と幅広いが、これまでNTISが提供したCAGGでは2億円程度となるケースが多かったという。西川氏は、「今後3年間で100システムの受注を目指し、180億円の売上をねらう」と述べた。