ウォッチガード・テクノロジーズは4月26日、統合セキュリティアプライアンスの最上位機種Firebox X Peakと、同アプライアンスの標準付属品となるネットワークOSのFireware Proを同時に発表した。この新製品で、同社はハイエンド市場への参入をめざす。
ウォッチガードはこれまで、主に中小企業向け市場を中心に製品を提供していた。同社のFirebox X Coreシリーズはその代表的な製品で、500人規模以下の企業を対象としたものだ。新製品のFirebox X Peakは、大企業を対象とした製品となり、希望小売価格はX5000が143万9000円、X6000が191万9000円、X8000が239万9000円。この価格は、「競合他社の製品よりずっとコストパフォーマンスが良い」とウォッチガード・テクノロジーズ マーケティング担当副社長のジョン・スタッキー氏は述べ、X8000と同等の市場に向けたSonicWALL PRO 5060やFortinet FG-1000、NetScreen 208などよりも安価だとした。
ウォッチガードでは、Fireware Proにて同社独自のILS(Intelligent Layered Security)という技術を提供している。これは、「ウイルスやスパイウェア、ワーム、トロイの木馬などの複合的な脅威を、シグネチャに頼ることなく事前に認知してブロックできる技術だ」と、スタッキー氏は説明した。Fireware ProはFirebox X Peakの標準付属品となるが、中小企業向け製品Firebox X Coreからのアップグレードも可能。Fireware Proは4月26日より出荷開始され、Firebox X Peakは5月4日に出荷開始の予定だ。
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ウォッチガードでは、これらの製品でハイエンド市場への進出を目指している。ウォッチガード・テクノロジーズ・ジャパン 代表取締役社長の中井健二氏は、「これまでもウォッチガードには大規模な顧客がついていた。1兆2000億円の売上規模を誇る流通業にて700台のウォッチガード製品を採用したという例もあり、今後はこうした大規模顧客を積極的に開拓していく」と述べている。
今後の日本での営業活動について中井氏は、「業種別ソリューションを用意することと、地域展開を行うことに注力する。また今回の製品でギガビットイーサネットをサポートしたが、これは特に日本や韓国などのアジア市場を意識して搭載した機能であるため、この機能を積極的に推進する」と述べた。
業種別ソリューションについては、「まだ検討段階なので具体的なことは発表できないが、まずは医療関係と個人情報保護法に関連したソリューションをパートナーと組んで提供したい」と中井氏。また、地域展開については、「現在関西地域のパートナーの拡充を進めている。3月にはNTT西日本との契約も結んだ」としている。