Apache Foundationが、デスクトップ向けのオープンソース版Javaの開発を提案した。この計画に対し、Sun Microsystemsはとりあえず歓迎の意向を示している。
米国時間6日に正式に提案された「Project Harmony」は、デスクトップPCでJavaプログラムを動作させるのに必要な「Java 2 Standard Edition(J2SE)」と呼ばれるソフトウェアの全面的な書き直しをねらいとしている。
同プロジェクトは、人気の高い複数のオープンソース製品を支えるApacheのメンバーと、Javaの開発に携わる複数の個人によって提案された。提案者らは、Javaバーチャルマシン(JVM)、関連のライブラリ類、そしてテスト用ソフトウェアの開発を計画しており、これらはすべてApacheのオープンソースライセンスで公開される。
同プロジェクトの提案が受け入れられれば、オープンソースの開発者らが何年も前から要求してきた--そしてSunが拒み続けてきたものが誕生することになる。
Sunは、J2SEの開発を主導するとともに、テスト用ツールと、異なるJavaソフトウェアライセンシー間の互換性を保証するリファレンス・インプリメンテーションを提供している。同社は、法的な面と、Javaの互換性に対する顧客の懸念を考慮し、自社のJ2SEソフトウェアをまだオープンソースにしてはいない。
Project Harmonyを提案したグループは、オープンソース版J2SEには「コミュニティから幅広い関心が寄せられている」と同プロジェクトの提案書とFAQに記している。そこには、Project HarmonyはSunとの直接的な競合を意図したものではないと書かれており、法的問題を回避するコード提出プロセスを採用するとの記述もある。
同グループが今このプロジェクトに着手するのは、Sunがオープンソースソフトウェアのさらなる便宜をはかるべく「Java Community Process」と呼ばれるJava標準化作業の規則を変更したためだ。
Sunのバイスプレジデント兼フェローのGraham Hamiltonによると、Sunは同プロジェクトを歓迎するが、個人的にはその必要性に疑問を感じるという。
Hamiltonは自身のブログに、「Harmonyプロジェクトの今後の進展はかなり気になる。J2SEを本格的に実装するのは途方もなく大変な作業だ。そのことはSunのJ2SEチームが百も承知だ」と書いている。
Hamiltonはさらに、Sunも同プロジェクトに何らかの形で参加する可能性が高いと付け加えている。
オープンソース版Javaの支持者らはProject Harmonyを歓迎するものと思われるが、どのようなプロジェクトでも、その結果が見えるまでには3〜5年がかかると、Burton GroupのアナリストAnne Thomas Manesは話している。同氏によると、ApacheはSunが用意したJ2SEのテストガイドラインに従わざるを得ないため、互換性の問題は発生しないはずだという。