Sun Microsystems(本社:カリフォルニア州サンタクララ)は米国時間6月1日に、数千万ドル規模のブランド再構築の取り組みを開始する。技術業界で話題に上らなくなっている状況を打開したい同社は、この取り組みを通じて、「共有(Share)」に重点をおいた新しいイメージを打ち出していく。
SunのIngrid Van Den Hoogen(ブランドエクスペリエンス/コミュニティマーケティング担当バイスプレジデント)によると、同社は数千万ドルを投じて、アイデアの共有に焦点を当てた広告キャンペーンを展開するという。このキャンペーンでは上下に伸びるS字型の曲線が目印となっており、このデザインはすでにSunのウェブサイトや販促資料で目にすることができる。
「われわれのブランドを見た人に前向きな印象を持ってもらいたい。いまは2005年であり、Sunでも何かが変わっていることを示唆する新しいキャンペーンが必要だ」(Van Den Hoogen)
Sunではすでにさまざまな変化が生じている。同社は、Linuxを中心に各種のUnixやWindowsとも競争するため、最も重要なSolaris OSをオープンソースにするなど、オープンソースソフトウェア化を大々的に進めてきている。また同社は、Microsoft Officeと競合するOpenOffice.orgをすでに投入しており、今後はオープンソースのサーバソフトウェアをリリースする計画もある。さらに、SunDBというオープンソースデータベースを投入する可能性も示唆しており、Javaソフトウェアの開発では数百社に対して発言権を与えている。
こうした動きの中心になっているのはソフトウェアだ。同社のUnixサーバ製品は、復活したIBMや、ますます強力なDell、そして両社と提携するLinuxベンダーのRed Hatにより苦戦を強いられている。
Sunは新しい広告とイメージの改善を必要としているが、これらは市場での復活に向けた第1歩に過ぎないと、市場調査会社Illuminataのアナリスト、Gordon Haffは指摘する。同氏によると、「マーケティングキャンペーンは契約獲得に役立つ」が、ただしその後に営業部隊や製品開発チームが、IBMやHewlett-Packard(HP)などの製品を上回るものを出してフォローしていく必要があるという。
Sunはまた最も積極的にブログを活用している企業の1つでもある。同社では社長のJonathan Schwartzをはじめ、多くの人間がブログを公開しているが、これらは社外の人間にSunの話題を提供して採り上げてもらうためのものだ。
Robert Frances Groupのアナリスト、Stacey Quandtは、IT業界の急速な変化に適応する上で、Sunにはいくつか進歩の跡が見られると指摘する。
「Sunは、Jonathan SchwartzとSolaris(のオープンソース化)を通じて、同社に長い間まとわりついていたイメージを変える方向に進んでいる」(Quandt)
Sunが「共有」というイメージを選んだ理由の1つは、同社が先進国以外でのコンピュータビジネスの成長を自社の利益に結びつけたいと考えているからだ。たとえば、オープンソース のソフトウェア開発や携帯電話の大規模な普及は、同社が「参加の時代(Participation Age)」と呼ぶものを象徴しているという。
「Sunでは、デジタルデバイドの解消を大義として掲げている」(Van Den Hoogen)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ