マイクロソフト、Office 12でXMLベースのファイルフォーマットを採用へ - (page 2)

Matt Hines(CNET News.com)

2005-06-02 13:16

 今回の発表は、自社のビジネスソフト全体へのXML導入を進めるMicrosoftにとって、最新の動きとなる。同社は、Office 2003で使われているXMLベースのファイルフォーマットを他社にライセンス供与すると表明して以来、XMLに関する取り組みを進めてきた。また、同社は先ごろ、Office関連のXMLドキュメントフォーマットを今後もロイヤリティフリーでライセンスすると発表している。

 さらにMicrosoftは、他のソフトウェアメーカーが「フィルタ」を作成するのを奨励し、そのための適切な説明文書を提供すると約束していた。「フィルタ」とは同社の既存ワードプロセッサでつくったXMLファイルを、他社製アプリケーションで読めるようにするもの。 ライバルのSun Microsystemsは昨年、オープンソースのデスクトップスイート「OpenOffice」用にドキュメントフィルタを作成すると述べていた。

 「オープンなファイルフォーマットは、XMLスキーマをオープンかつロイヤリティフリーでライセンスするというわれわれのポリシーを継続させるものだ。これは、このスキーマを使って各社のソリューションにフォーマットを統合するパートナーや開発者を支援する重要な要素だ」(沼本氏)

 新しいXMLフォーマットのファイルは、そのなかに含まれるデータを簡単に利用できるだけでなく、ファイルサイズも最大で75%縮小されるという。また、セキュリティ対策として、ウイルスや他の悪質なコードがファイル内に勝手に組み込まれて実行されないようになる。

 業界観測筋によると、Microsoftの顧客は、この新しいファイルフォーマットを採用することで、いくつか大きなメリットを得られるはずで、特に異なるOfficeアプリケーション間でデータを利用し合う場合にはそれが顕著だという。AMR Researchのアナリスト、Jim Murphyは、同社が次期OfficeにXMLを大々的に採り入れることで、「XMLを大衆に広める」ことになると述べている。

 「このファイルフォーマットが導入されれば、Officeと他のアプリケーション--特にエンタープライズソフトウェアとの統合がかなり容易になるはずだ。XMLは、使いやすさとカスタマイズの選択肢の多さの点で、これまでずっと望まれていた機能だった」(Murphy)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]