日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は6月9日、x86サーバ製品系列「HP ProLiantファミリ」用の仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」「VMware GSX Server」の販売を始めると発表した。両ソフトウェア向けのサポートサービスも提供する。税込み価格は、VMware ESX Serverが68万2500円から、VMware GSX Serverが24万7800円から。いずれも6月下旬に出荷を開始する。
VMwareは、1台の物理的なサーバ上に複数の仮想マシンを構築するソフトウェアだ。各仮想マシン上で、異なるOSやアプリケーションを動かすことができる。仮想マシンはそれぞれ独立したシステム環境として動作するため、特定の仮想マシン上で発生した問題などは、物理サーバやほかの仮想マシンの動作に影響しない。
1台の物理サーバを複数の仮想サーバとして運用することで、負荷分散が可能となり、システムを効率よく活用できる。それまで複数のサーバで提供していた機能を統合し、物理サーバの台数を減らすと、省スペース化や統合バックアップといったメリットも得られる。物理サーバごとに必要なSAN結線も少なくなることから、SANの設計が容易になる。
複数の物理サーバ間でクラスタを構成したり、稼働中の仮想マシンを異なる物理サーバに移動したりできるので、無停止スケジュール運用も可能。仮想マシンと物理マシンの管理は、単一コンソールから統合的に行える。
また、同社は、既存システム環境から仮想マシンへの移行作業を効率化するソフトウェア製品「HP Essentials Server Migration Pack」の提供を2005年夏ごろに予定している。