ウェブホスティングの分野はLinux OSとApacheウェブサーバの牙城であるが、Microsoftはこの分野の攻略に向け、「Internet Information Server」(IIS)の新エディションを来年リリースする。IISは、Apacheと共通するを機能を多く持つウェブサーバソフトだ。
Windows Serverの開発を指揮する同社シニアバイスプレジデントのBob Mugliaによると、Windows Serverで強化される各種の機能は、ウェブ開発、セキュリティサーバ、そして高性能コンピューティングという、Linuxが最も得意とする分野で対抗していくために考えられたものだという。
一方、Microsoftは「Common Engineering Criteria」という複数年にわたる計画にも取り組んでおり、Windows ServerからSQL Serverまで各種のサーバアプリケーションの管理に使えるツールの開発を進めている。
サーバアプリケーション担当シニアバイスプレジデントのPaul Flessnerによると、連係を念頭に置いた製品を用意することはオープンソースのライバル各社には難しいが、これによって最終的にはMicrosoftの製品が使いやすくなり、徐々に費用効果が高まるという。
「利用期間全体を通じたTCOが少なければ、入手コストがゼロの製品とも競争できる。オープンソース陣営の経済モデルを考えに入れると、正直なところ、彼らがこれに張り合うのはかなり難しいと思う。ただし、ローエンドでフリーウェアが競合してくるのは良いことだと思う」(Flessner)
Microsoftは昔から、ビジネス市場にローエンドから参入するやり方をとってきた。たとえば、同社のサーバ製品は当初、比較的シンプルな用途に使用されていたが、それが大企業への足掛かりとなり、また中小企業での大きな存在感確立につながった。
一方、LAMPスタックはインターネットの世界、特にウェブホスティング業者の間で高い人気を獲得している。
しかし、アナリストや業界幹部らは、LAMPの組み合わせが主要な企業でのソフトウェア開発にも使われるようになり、Windowsや.Netと直接競合するようになってきたと指摘している。
「LAMPスタックがMicrosoftから市場シェアを奪っているのは間違いない」と、開発ツールPHPを扱うZend TechnologiesのCEO、Doron Gerstelは述べている。
同氏は、Microsoftが強力な開発ツール類を揃えていることを認めたが、しかしLAMPのツール類が、Zendのような企業の取り組みやオープンソースコミュニティでの作業を通じて、急速に改善してきている点を指摘した。
またLAMPの組み合わせは、企業顧客により多くの選択肢を提供している。「ベスト・オブ・ザ・ブリードのスタックを選ぶ企業が増えている」とGerstelは指摘し、さらに「ロックイン(されるのを避けること)はとても重要な事柄だ」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ