今回の提携は、SunとIBMが緊張緩和に向けて動き出したことを示唆している。両社は、サーバに関しては厳しい競合関係にある。そのためSunが、同社のOSを自社製プロセッサSparcだけでなく、x86チップにも対応させようと取り組みを開始した際に、IBMがこれを支援する意向を表明しなかったのも不思議ではない。だが両社は、少なくとも一部の分野において、互いに矛を納めることになった。
Sunは2004年に、IBM以上のライバル企業であるMicrosoftともパートナーシップを結んでいる。また、米国時間24日には、ストレージシステム分野の競合企業EMCと、共同開発に関する提携を決めた。
記者会見に臨んだSunのCEO、Scott McNealyは、「あらゆる『敵』とパートナーシップを結んでしまい、もう相手がいなくなった」と冗談を飛ばし、同席していたSchwartzがすぐに「相手ならまた見つかるに違いない」と切り返した。
IBMとの提携に関する発表は、Sunが同社のJavaサーバソフトウェアの一部をオープンソース化し、リリースした同日に行われた。Javaソフトウェアのオープンソース化は、IBMが数年来要求してきた事柄だった。
Schwartzは、SunのJavaソフトウェアのオープンソース化は、全取り組みにおける第一歩に過ぎないとしている。
「Sunは、自社のすべてのソフトウェア製品をオープンソース化するという取り組みを続行するうえで、初めの一歩を踏み出した。ビジネス界にとっても、世界にとっても、有益な出来事だったと考えている」(Schwartz)
だが、リリース間近のデスクトップコンピュータ向け「Mustang」を含め、大半のJava製品には、今も厳格なライセンス条項が規定されている。
Sunは、6月に入ってからSolarisをオープンソース化してリリースし、現在も同OSをx86チップに対応させるために力を尽くしている。同社は現在、AMDの「Opteron」プロセッサを2基もしくは4基搭載するサーバを販売しており、今年後半には、新たなハイエンドシステム製品ライン「Galaxy」を投入する予定だ。
Hewlett-PackardおよびIBMが自社版Unix(それぞれ「HP-UX」「AIX」と称される)をx86チップに対応させなかったことについて、Sunはこれを戦略上の誤りだと指摘したことがある。
Sunが現在提供しているAMDプロセッサベースサーバのほとんどは、Linuxを使用している。同社CEOのScott McNealyは先週、サーバOS市場で生き残る可能性がある主力製品は、SolarisとMicrosoftのWindows、そしておそらくは「Red Hat Enterprise Linux」だけだろうと発言した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ