Advanced Micro Devices(AMD)の関係者は先週、中国のPCメーカーLenovo Groupが、AMDの新しい64ビットマイクロプロセッサ「Sempron」をデスクトップ製品で採用する最初の企業になることを明らかにした。
既報の通り、AMDは64ビット処理機能を同社製マイクロプロセッサすべてに拡大して採用する計画を発表している。チップを64ビット化すれば、処理速度が高速化し、また4Gバイトを超えるメモリ空間を扱えるようになる。現在、ほとんどのPCでは512Mバイト〜1Gバイトのメモリしか搭載していないが、メモリの容量が増加すればそれだけ処理速度が向上する。
Sempronはエントリーレベルのデスクトップ向けプロセッサと考えられており、通常はAMDのプロセッサのなかでも最も値段が安い。Sempronは現在、2600+(74ドル)、2800+(83ドル)、3000+(98ドル)、3100+(113ドル)、3300+(140ドル)という5種類のモデルが販売されている。
この発表の2週間前には、IntelがSempronと直接競合する「Celeron D」プロセッサを発表していた。
一般のPCユーザーはまだ64ビット技術を導入する態勢が整っていないというアナリストは多いが、AMDではローエンドシステムにさえ64ビット技術を求める声が顧客から上がっていると述べている。同社は、Microsoftから先ごろ「Windows XP x64 Edition」オペレーティングシステム(OS)がリリースされたことを、市場の態勢が整った根拠として挙げている。
AMDによると、Sempronチップでは、Windows XP Service Pack 2と互換性のあるウイルス保護機能が提供されるほか、他のコンピュータと接続もより高速になり、グラフィックス性能も改善されるという。
今年に入ってIBMのPC部門の買収作業を完了したLenovoは、これまで「ThinkCentre」や「TianJiao A Series」などのデスクトップコンピュータにAMDプロセッサを採用するかについては明言を避けていた。
Lenovoは、DellとHewlett-Packard(HP)に続く世界第3位のPCメーカーであり、今年は43億ドルを超える半導体を購入して、世界半導体購入ランキングの第9位になると、市場調査会社iSuppliでは予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ