シスコのVoIPソフトウェアに脆弱性--DoS攻撃誘発のおそれ

Marguerite Reardon(CNET News.com) 2005年07月15日 11時16分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Cisco Systemsは今週、同社の製品にサービス拒否攻撃(DoS)を誘発する可能性のある複数の脆弱性が発見されたことを明らかにした。

 Ciscoは米国時間12日、同社のIPテレフォニーネットワーク技術の中核的なコンポネントで、通話信号および通話ルーティングに用いられる「CallManager」ソフトウェアに欠陥が見つかったことを明らかにした。この脆弱性がハッカーに悪用されると、ネットワークに障害が起きるおそれがあるという。

 Ciscoでは、この脆弱性を修正するパッチをすでに同社のウェブサイトで公開している。またInternet Security Systemsは、この攻撃を防ぐソフトウェアをリリースし、ユーザーがCiscoのパッチをインストールして試用するのを支援している。

 今回発見された脆弱を悪用することで、攻撃者はCallManagerの重要なプロセスにおいて、メモリのオーバフローを引き起こすことができるという。その結果、DoS攻撃が誘発され、CallManagerサーバがシャットダウンされたり、再起動が必要になる。CallManagerサーバに問題が生じた場合、攻撃者が通話を転送したり盗聴したりできるようになり、さらにはCiscoのVoIP(Voice over Internet Protocol)製品を動かしているネットワークやマシンに対し、不正にアクセスすることが可能になる。

 この脆弱性が存在しているのは、CallManager3.3およびそれ以前のバージョン、そして同4.0および4.1である。Ciscoの広報担当は、この脆弱性を悪用した攻撃の発生は、まだ報告されていないと述べている。

 iDefense Labsのディレクター、Michael Suttonは、この脆弱性はネットワークの内側からでなければ悪用できないため、この問題の深刻度は「緊急」レベルとは言えないと説明している。

 企業は、VoIP技術を利用することで、電子メールなどのデータ転送に使用しているインフラを使って音声データをやりとできるようになる。VoIPはここ数年、コスト削減や従業員の柔軟性の向上に効果があるとして人気を集めてきている。市場調査会社Gartnerの調べでは、2007年までに、北米で設置される新しい電話システムの97%がVoIPベースになるか、もしくは従来の電話回線とVoIP技術を組み合わせたものになるという。なおCiscoは、これまでに世界で約500万台のVoIP電話機を販売したとしている。

 セキュリティ専門家らは、VoIPは容易に利用できるが、背後にある技術は非常に複雑で、しばしばセキュリティの問題が生じると指摘している。

 Internet Security Systemsでアドバンスリサーチチームを率いるNeel Mehtaは、「VoIPソフトウェアはまだあまり成熟しておらず、ほかのテレフォニーシステムと比較すると安全性に問題がある」と述べている。「VoIPプロトコルの設計にも、懸念を抱かせるような問題が存在している。こうした弱点は、まだ実際にはハッカーに悪用されていない。しかし、VoIPの導入は急速に進んでおり、今後は攻撃者の格好の標的となっていくだろう」(Mehta)

 Ciscoは5月にも、同社のIPテレフォニー製品をクラッシュさせるおそれのある脆弱性につて警告を発していた。この脆弱性は、Domain Name Server(DNS)プロトコルの動作するCiscoのIP電話に関連するものだった。DNSはドメインネームをIPアドレスに変換する作業を行う。DNSサーバはインターネット上の複数の箇所に配置され、この変換作業を行うほか、IPパケットを想定した相手に正しく送り届ける役目を果たしている。Ciscoはこの脆弱性が最初に報告された際に、それを修正するソフトウェアパッチを公開していた。

 VoIPネットワークは従来のデータネットワークに比べて、一般的にセキュリティ面が弱いと、Forrester ResearchアナリストのElizabeth Hurrellは述べ、その理由として音声データのトラフィックは遅延に敏感であることから、パケットの中身を精査する従来のファイヤウォールが使えない点を挙げている。電子メールの場合、パケットが遅れて到着してもとくに問題は生じないが、それに対して音声パケットの場合には、転送に遅延が生じると通話が途切れがちになるなど、許容できない問題が起こる。この問題を緩和するためには、一部のポートを開放したままにするといった手立てが考えられるが、それが原因でネットワークが攻撃にさらされる可能性も生じてしまう。

 「VoIPには特有のセキュリティ対策が必要だが、そのことに気付いていない企業も多い」とHurrellは言う。「VoIPを導入する場合、企業はセキュリティについて別の考え方をする必要がある。従来のセキュリティ・ソリューションでは、ネットワークを十分に防御できない可能性が高い」(Hurrell)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
セキュリティ

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算