2000年:Napster現象
無名のファイル共有プログラムだったNapsterは、世界中のネットワークにあっという間に広がり、デジタル音楽ファイルをタダで交換するために使用されるようになった。しかし、その人気が高まるにつれ、Napsterは音楽業界から、悪質なツールとして目を付けられるようになり、最終的には、これまでに例のない、大規模な著作権違反訴訟の対象になった。現在のNapsterには以前の面影がほとんど残っていないが、その影響は、今日のインターネットに広く浸透している。
2001年:ドットコムバブルの崩壊
ドットコムバブル崩壊の影響は、誰の予測をも上回るひどいものだった。そのことを見事に反映していたのが、ドットコムバブルがはじけた後、さまざまな人たちに責任を求める声をレポートしたNews.comの記事だった。これらの記事には、無名のIT企業の株を売り買いしていたデイ・トレーダーたち、ストックオプションで手にした株を現金化し29歳にして引退したエンジニア、急速に成長しそうな会社を予測したウォール街アナリストたち、金持ちであることを美化し、そうでない人たちにも一山当てる希望を与えたビジネス書の数々などが登場した。
2002年:アドウェアやスパイウェアのPCへの侵入
一見無害と思えるマーケティングツールとして登場したスパイウェアは、インターネットがかつて直面した中で最も悪質な問題に発展した。ポップアップ広告、プライバシーの侵害、コンピュータ処理能力の低下など、スパイウェアはインターネットを使用するすべての人たちに被害をもたらした。この問題は、今日でもまったく解決しておらず、司法機関や議員たちによる詳細な調査が行われている。
2003年:ワイヤレス革命
今でこそ当たり前の存在となっているが、ほんの数年前まで、ワイヤレスコンピュータネットワークは限られた人たちのものだった。ワイヤレステクノロジは、職場と家庭の両方で、近年例を見ない速さで急速に普及している。しかし、その成長に伴って、セキュリティが新たに問題として浮上しており、これは現在も解決されていない。
2004年:業務の海外流出をめぐる政治論争
国際的な論争に発展するずっと前から、テクノロジー業界には、業務を海外へアウトソースする習慣が存在していた。そのため、この問題が2004年の大統領選で政治的問題として取り上げられるようになると(BushもKerryも政策要項でこの問題を取り上げていた)、多くの人たちがシリコンバレーに目を向けるようになった。しかし、テクノロジー業界は、失業率の増大という差し迫った問題よりも、競争力の低下やセキュリティリスクのほうを心配している。
この記事は、米CNET Networksのテクノロジー情報サイト誕生10周年を記念して製作された記事を日本向けに編集したものです。同じく10周年記念企画として製作された「人気製品トップ10で1995年を振り返る」の翻訳記事はCNET Japanでご覧いただけます。CNET Japanの記事へ