2005年上半期:目から鱗の注目製品セレクト10!

編集部 2005年08月16日 09時59分

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キラリを光る技術や発想の転換が注目を集める

 関連記事『2005年上半期:編集部が選ぶ注目製品トップ10!』で示した通り、企業情報システムは円熟の時代に突入した。技術と仕様の進化と標準化が進み、ROI(Return On Investment、投資利益率)の下、より業務ニーズにストレートに響くシステム・ツールが王道となりつつある。

 王道新世紀とも言えるこうした動きの中、製品の大海を見渡すと、思わず「おお!これはイイ!凄い!」と唸ってしまう製品サービスもまた目に付くことに気付くだろう。キラリと光る応用例の数々には、ニッチながら発想の転換や商品化企画力の跳躍が垣間見える。もちろん、応用の凄さだけでなく、将来役に立つ基礎技術もあることを指摘しておきたい。

 以下では、こうした「へぇー」と思わず感嘆する製品記事を10本選んだ。読み物としても勉強モノとしても面白いが、実務情報として役に立つ情報でもある。製品企画の内情を知ることで、世の中のユーザー企業が抱える需要の姿を知ることができる。需要がピッタリ一致した時には、今抱えている悩みを解決する手助けになる。

これが目から鱗の注目製品セレクト10だ!

★ この金属装置の写真を見ずして2005年は語れない ★
三菱電機が量子暗号通信を初めて一般公開--RSA Conference 2005 Japan展示

 「RSA Conference 2005 Japan」(2005年5月12日〜13日)で一際目を引いた物体が、量子暗号化通信において送信された光子を受信側で効率よく拾うための専用装置である。量子暗号化通信の実演というだけで立ち止まってしまうが、この金属の塊は、思わず写真をパチリと撮らずにはいられない存在感を放っている。なお、この装置は内部をマイナス70度に冷却している。

★ あなたはもうワイヤレスUSBの実演を見ましたか? ★
インテルが技術展示会IDF Japan 2005を開催

 「インテル・デベロッパ・フォーラムJapan 2005」(2005年4月7日〜8日)の展示ブースでは、これまた思わず唸る参考展示が異彩を放っていた。Wireless USB装置である。USBはパソコン用の外部I/O接続規格であり、Wireless USBとは、このUSB接続をワイヤレスで行ってしまおうという代物だ。「USBケーブルで電源供給できないじゃんっ」という声も聞かれそうだが、例えばハード・ディスクやプリンタなど電源ケーブルを最初から持つ機器を考えてみれば、USBケーブルが無くなる利点は見逃せないはずだ。

★ イーサネットで何でも繋がる!そのうちCPUやメモリも? ★
サーバ間インターコネクトをイーサネットで--富士通研究所が10Gイーサへの取り組みを説明

 SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)とSAN(システム・エリア・ネットワーク)--。この2つの専用ネットワークには、データ通信用のイーサネットとは別の、それぞれ専用のネットワーク規格と機器を使うのが常識だった。ストレージはファイバ・チャネル、システム間はInfiniBandといった具合だ。こうした専用ネットワークもまた、イーサネットでつないでしまおうという試みが始まっている。

★ これは凄い!なんとCPU処理専用の装置が登場!★
AzulがCPU処理アプライアンス「NAP」を出荷--余剰CPUにかかるコストを削減

 ここ数年のIT製品企画の中でも、特に注目したいのが、CPUアプライアンスである。ルーティング専用機やファイル・サーバ専用機といったアプライアンスがルータ機器やNAS装置になったように、CPUとメモリで構成するCPU処理機構もまたネットワーク経由で利用するアプライアンスとなるのだ。この試みは、今後のITの歴史の中で永遠と語り継がれていくことだろう。

★ APサーバはXSLT変換装置の夢を見るか ★
XMLメッセージをアイテム単位で逐次処理--東京エレクトロンがXMLアクセラレータ新版を出荷

 SSL処理のべき乗演算を外部の専用装置に代行させるのがSSLアクセラレータ。では、XMLアクセラレータって何?答えは、XLSTによるXMLメッセージの変換処理をアプリケーション・サーバに成り代わって実行する専用装置のこと。「こんな製品があるんだ?」とビックリするかも知れないが、XMLアプリケーションの世界では、こういうニーズが高まっているのである。

★ インターネットの中心でセキュリティを叫ぶ ★
バーテックスリンクがSSL通信の中継ソフトなどセキュリティ製品の日本語新版を出荷

 SSLとは、SSLクライアント(ウェブブラウザなど)とSSLサーバ(ウェブサーバなど)の間でエンド・ツー・エンドのセキュリティを確保するための手段である。これは企業にとってはよろしくない仕組みだ。通信内容を検閲できなくなるからである。外部から入ってくるウイルス/ワームを検知できなくなるほか、内部からのデータ漏えいも防げない。そこで登場するのが、SSL通信を中継するプロキシである。「そんなことできるの?」というギモンは引用記事を読むことで解決!

★ X11は重い?ならこんな解決方はいかがでしょう? ★
X11を圧縮して低帯域化するプロトコル変換プロキシ--マクニカがC/S型で動作するX端末ソフトを出荷

 シンクライアントのマーケティング・メッセージは2つある。(1)データをローカルで持たないことによる情報漏えい対策と、(2)低帯域で動作することによるハードウェア資源の一極集中管理である。X-Window Systemの端末機能(Xサーバ)もまた、シンクライアントと呼べるが、遠隔拠点での画面描画に使うX11プロトコルは一般的に、ICAなど現状のシンクライアントで用いられるプロトコルよりも重い。そこで出てきた発想が、X11を軽いプロトコルに変換しようという考え方である。言うならば、シンクライアントのシンクライアント化といったところか。

★ 枯れたウェブ高速化技術をファイル共有に応用 ★
ネットマークスがWAN環境の高速化装置を出荷、キャッシュとTCPコネクション集約で

 TCPのコネクションが成立するためには、3-Wayハンドシェイクと呼ぶSYNパケットとACKパケットのやり取りが発生している。だったらコネクションを切らずに使いまわそうというのが、ウェブ高速化の常套手段だった。WANの高速化はまた、データの圧縮やキャッシュといった方法も採られる。こうしたWAN対抗策はまた、遠隔地のファイルを共有する用途にも使える。これが「WAFS」(Wide Area File Services)である。

★ これぞ逆転の発想!ディスクがテープ装置に見えちゃう ★
日本HPがディスクを利用した仮想テープ装置を出荷

 この製品のコンセプトには、多くのIT関係者が感心することだろう。「テープ装置を使い続けたいが、実体がテープ装置である必要はない」--。こうしたユーザーをキャッチアップするのが、ディスクを仮想的にテープ装置に見せてしまうマジックだ。データのバックアップ手段としてディスクがテープ装置を置き換える動きがある中、仮想テープ装置という発想は大変興味深い。

★ ひねりが効いた製品企画!NASにデータをバックアップ ★
バックアップ用途にデータ圧縮機能を付けたNAS、東京エレクトロンが出荷

 データのバックアップ用にディスクを使う解決法は一般的である。共有ディスク装置に含まれるソフトが、共有ディスクの内部でスナップショット・バックアップを取り、データの世代管理までを実施する。こうしたメインストリームの流れとは別に、同じディスクを使う解決法でありながら、ネットワーク上のファイル・サーバをバックアップ用に使う製品も登場した。バックアップ用のNASが普通のNASと異なるのは、データを圧縮する機能を持つ点である。

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