Advanced Micro Devices(AMD)とIBMは、技術開発に関する提携契約を2011年まで延長するほか、協力の範囲を新しい分野にも拡大することに合意した。
今回の合意により、両社は32ナノメートルと22ナノメートルのプロセスを使った半導体製造技術の開発や、性能向上を目指したインチップ技術の開発で協力していくことになる。また、両社は新しいトランジスタ、インターコネクト(トランジスタ間を結ぶワイヤー)、リソグラフィとパッケージの開発まで協力の範囲を広げていく。
大手半導体企業同士が研究開発に関して提携することは、6年前には異例なことだった。しかし、現在の半導体設計には資金面や技術面で困難が付きまとうことから、こうした提携も今では当たり前になっている。
回路の青写真ともいえるマスクセットは、100万ドル以上の費用を必要とし、誤りが発見された場合、再作成の必要がある。また、ストレインドシリコンなどの消費電力量を減らす技術の開発には、何年もの時間と、何百万ドルもの費用が必要される。そして、容赦ない値下げが行われるなかで、メーカー各社はこれらの費用を負担しなければならない。
また各半導体メーカーは、工場建設のコスト上昇を受け、外部のファウンドリに製品の半導体を委託するようになっている。
AMDとIBMは、高度な半導体製造における協力を2002年に開始した。当時、Motorolaと共同でSOI(silicon-on-insulator)技術の開発を進めていたAMDは問題を抱えていた。また、AMDはUnited Microelectronicsというファウンドリとの不幸な関係を終わらせようとしていた。
SOIに関する問題は、IBMにより解決された。また、AMDは後にIBMと提携するCharteredとファウンドリー契約を結んだ。
AMDとIBMの協力関係は、2005年に終了する予定になっていたが、2004年にはこれを2008年まで延長することが決められた。
無論、IBMは利他主義的な考えからこうした決断を下したわけではない。AMDが2004年に提出した書類によると、同社は今回の合意に基づき、2004年9月から2008年12月にかけて、2億5000万ドルから2億8000万ドルの金額をIBMに支払うことになるという。ただし、これは、一方的な提携ではない。AMDの科学者は現在、IBMの半導体開発施設に常駐し、新しい半導体技術の深く関わっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ