Apache Software Foundationは米国時間22日、多機能なWebサービスインフラストラクチャソフトウェアスイートを開発する大規模な取り組みの一環として、オープンソースの統合サーバプロジェクトを立ち上げた。
「Apache Synapse」と称される同プロジェクトの目的は、2基のマシン間におけるXMLドキュメントのやり取りを処理するサーバソフトウェアを開発することだ。
Synapseは、「Web Services Broker」とも呼ばれるエンタープライズサービスバス(Enterprise Service Bus:ESB)で、異なるXMLドキュメントフォーマットを解釈したり、コンテンツに従い情報をルーティングしたりといったタスクを処理するようデザインされる。同プロジェクトの基本となるコードは、統合ソフトウェアベンダーSonic SoftwareおよびWebサービス管理企業Infravioから提供される予定だ。
もっとも、Synapseソフトウェア単体では、機能の充実した商用ESBの代替とはならない。ESBは、Webサービスプロトコルを含む、標準規格に基づいた統合ソフトウェアを大まかに指す用語。
だがこれを、「Axis 2」といったApacheの他のWebサービスプロジェクトのソフトウェアと組み合わせて用いれば、企業ユーザーや開発者は、商用のWebサービス統合ツールに代わるローエンドなオープンソース製品を利用できることになると、Synapseプロジェクトの関係者は語っている。
WSO2のCEOであり、Apache Synapseプロジェクトにも関与しているSanjiva Weerawaranaは、「Axis 2や当社が目指すのは、Axis 2やその他のプロジェクトを基盤として、Java中心主義的なプラットフォームではなく、Webサービスを中核とするスタンドアロンのプラットフォームを開発することだ」と話す。8月に設立されたばかりのWSO2は、オープンソースのWebサービスソフトウェアであるApacheに関連する、専門的なサービスを提供する企業。
異なるアプリケーションを統合するため「プラミング(plumbing)」が可能なこの種のソフトウェアは、通常は商用のJavaサーバパッケージもしくはMicrosoftの「.NET」ソフトウェアに搭載されている。Apache陣営はSynapseおよびAxisを擁して、いかなる既存の商用製品からも制約を受けない、Webサービス統合ソフトウェアを開発しようと試みている。
Weerawaranaによれば、Synapseは、SOAP(Simple Object Access Protocol)を核とし、Javaを含む多様な開発言語と連携できるよう設計されるという。
オープンソース統合ソフトウェアの開発を目指すプロジェクトは、このほかにも存在している。Iona Technologies、Sun Microsystems、JBossの各社は、Java専用の統合技術規格である「Java Business Integration」に基づく製品を開発中だ。
Sonic Softwareのバイスプレジデント兼チーフテクノロジーエバンゲリストDave Chappellは、同オープンソースプロジェクトへの参画を通して、Sonic Softwareは、業界標準を策定し、複数のプログラム間でデータをやり取りする際の「仲介役」としてのWebサービスを促進していく意向だと述べた。
Chappellはまた、SynapseのWebサービス「仲介」機能は、機能性という点ではより優れている商用の統合製品と、直接競合するものではないと話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ