Clarkによると、正式版出荷時には、WinFSはWindowsのアドオン形式になる可能性が高いという。マイクロソフトは現在「.NET Framework」を同じような形で提供しているが、このやり方では、開発者が.Netを必須とするプログラムを書いても、個々のユーザーが必要なフレームワークコードをダウンロードするか、企業が従業員にマシンを提供する際にこれをインストールしなければ、そのプログラムを動かすことはできない。Clarkはさらに、一部のコンピュータメーカーが新しいPCにWinFSをプレインストールする可能性もある、と述べている。
29日にリリースされたベータ版はWindows XPに対応し、HomeおよびProfessionalの両エディションを正式にサポートしている。また、Tablet PCやMedia Center版にも対応するはずだが、これらのOSではWinFSのテストが十分に行われていない。Clarkによると、MicrosoftがWinFSをXPのアドオンとして提供することにしたのは、開発者の大半がWindows XPを利用しているからだという。Clarkによると、WinFSをVistaに搭載して動かすことが次の目標になるが、Vistaをサポートするためだけにベータ投入を遅らせたくない、というのが同社の考えだという。
Clarkは、「いったんコードを安定させ、ベータをリリースには今がちょうど良いタイミングだと考えた」とし、今回のテストバージョンに対するフィードバックでWinFSの次のステップが決まると付け加えた。
しかし同氏によると、MicrosoftはWinFSの正式版がどのOSをサポートするについてはまだ決定していないという。同社は、WinFSの正式版投入時に、Windows Vistaのサポートを必須とすることに技術的に魅力的な理由があると判断するか、もしくはVista搭載PCが市場に十分に普及していれば、WinFSのリリースをVistaに限定する可能性もあるという。
「WinFSをリリースするまでには、XPをサポートする必要がないほど十分な数のWindows Vistaが市場に出回っている可能性もある」(Clark)
調査会社Directions on Microsoftのアナリスト、Michael Cherryは、WinFSのテストバージョンをリリースすることは、たとえそれが正式版にほど遠い状態であっても、Microsoftにとってある程度理にかなっていると言う。
「いずれは開発者にコードを渡す必要がある。今の時期に渡すのはある意味で理にかなっている」と同氏は述べ、Microsoftが来月ロサンゼルスで大規模な開発者会議を予定している点を挙げた。
しかし同氏は、WinFSがWindowsのアドオンとして公開される可能性が高いことについて期待はずれだと述べ、これでは必要なソフトウェアをユーザーが搭載済みかどうか判断できず、開発者にソフトウェアを書くよう説得するのが困難になるとした。
「.Netフレームワークのようなことをすれば、導入の手間が増え、導入の速度が落ちるだけだ」(Cherry)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ