大日本印刷(DNP、北島義俊社長)は、個人情報の授受をネットワーク経由 で安全に行う新サービス「ジャンダルム」の運用を10月から開始する。利用料 は、1ユーザー当たり月額5万円程度の予定。06年度中に300ユーザーの獲得を 目指す。
顧客・同社間の個人情報授受は、同社のインターネットデータセンターに設 置した専用サーバーを経由して行う。顧客のPCと専用サーバー間の通信はSSL によって暗号化し、伝送過程での盗聴などへの対策を講じる。また、専用サー バー上では、次世代標準暗号方式「AES」によって個人情報を暗号化して保存 する。
専用サーバーに保存された個人情報は、DNP製造部門のセキュリティエリア に設置されたPCを利用し、営業部門や輸送部門などを介さず、直接受領する。 DNP製造部門のPCと専用サーバーは専用回線による社内通信網で接続、通信もS SLによって暗号化。また、アクセス制御によって、社外や社内の他部門からの アクセスを防止する。さらに、個人情報授受の履歴管理も行うため、万が一情 報漏えい事件が発生した場合でも追跡調査できる。
情報の送受信を行うPCには、ICカードを利用した同社オリジナルのデスクト ップセキュリティソフト「TranC' ert」を搭載し、通常のID、パスワードの組 み合わせに加え、ICカード内に保管された電子証明書を利用して、ユーザー認 証と専用サーバー上のデータ授受領域のアクセス制限を行う。
同社では、当面はダイレクトメールの宛名、キャンペーンへの応募者情報、 カードの追加発行データなど、中小規模の個人情報の入稿を中心にサービスを 提供。その後、新車カタログなど機密性の高い印刷原稿データの入稿向けのサー ビスも検討していく。
なお、同サービスは、第三者機関によって外部からの攻撃に対する脆弱性が ないことが証明されている。サービス開始後も、定期的に脆弱性検査を行う計 画。