東京エレクトロンが米BrocadeのWAFS機器を11月出荷

日川佳三(編集部)

2005-09-29 16:41

 東京エレクトロンは11月1日、米Brocade Communications Systemsが開発したWAFS(Wide Area File Services、広域ファイル・サービス)機器「Tapestry WAFS」を出荷する。価格は120万円(10クライアント構成)から。初年度売上目標は5億円。同社は販売促進で、米Brocade Communications Systemsの日本法人であるブロケードコミュニケーションズシステムズと協力する。

Tapestry WAFS

 広域ファイル・サービスWAFSとは、WAN(通信回線)を経由してファイル・サーバを利用できるようにする高速化技術を指す。高速化の仕組みは、データ・センターと遠隔拠点の双方にWAFS機器を設置することで、WAFS機器間に発生する通信を減らすというもの。転送済みデータのキャッシュやデータ圧縮による転送データ量の削減のほか、TCPコネクションの集約によるネットワーク・プロトコルの簡略化などを施す。

 WANを超えたファイル・アクセスであるWAFSが生まれた背景には、各拠点に分散していたファイル・サーバをデータ・センターに一元化して集中管理したいという企業の需要がある。資源の集中化には、古くは運用管理コストの削減、最近では情報漏えい対策などセキュリティ上の目的がある。ただし、WANはLANと比べて遅延が大きく帯域も狭いため、ファイル・サーバをそのままデータ・センターに移行しただけでは満足のいくファイル・アクセス性能が出なかった。

 Tapestry WAFSは、CIFS(Common Internet File System)やNFS(Network File System)などコンピュータが利用するネットワーク・ファイル・システムへのアクセス用プロトコルを、「SC/IP」と呼ぶWAN用に最適化した独自開発プロトコルに変換する代理装置である。遠隔拠点に設置したTapestry WAFSは遠隔拠点のコンピュータから見るとプロキシ・サーバとして振る舞い、データ・センターに設置したTapestry WAFSは、データ・センターのファイル・サーバから見るとリバース・プロキシとして振舞う。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]