マイクロソフトは10月4日、同社のセキュリティに対する取り組みや戦略について紹介するイベント「SECURITY SUMMIT 2005 Fall」を開催した。同イベントでは、同社が提供中の「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を、Antinnyに対応することも発表された。
米Microsoftのセキュリティテクノロジユニット コーポレートバイスプレジデントであるMichael Nash氏は、マイクロソフトのセキュリティ強化の取り組みとして、「(1)技術への投資(2)規範的なガイダンス(3)業界とのパートナーシップという3点に注力する」と語った。
- マイクロソフト セキュリティテクノロジユニットのMichael Nash氏
まず、(1)については、「Windows XP Service Pack2(SP2)」の提供や、無償のスパイウェア駆除ツール「Microsoft Windows AntiSpyware beta」(日本語版は未提供)そして「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」などを提供することでセキュリティ対策に取り組んできた。
また、(2)についてNash氏は「すでに600以上の(セキュリティについての)ガイダンスを提供しており、毎月第3木曜日にはウェブキャストも開催している」と話し、「日本でもセキュリティのガイダンスを提供していく」と語った。
さらに(3)についてはISPや企業のほか、世界各国の法の執行機関との連携を強化する。SasserやZotobワーム作成者の逮捕に協力したことをはじめ、フィッシングやスパムなどインターネットリソースを悪用する利用者への対策で協力体制を確立する。
Nash氏はまた、悪意のあるソフトウェアの削除ツールにおいて、Antinnyに対応することを発表した。Antinny対応のツールは、2005年10月12日より同社のウェブサイトで提供される予定だ。
AntinnyはPtoPファイル交換ソフト「Winny」を経由して感染するワームで、PC内の画像ファイルや文章ファイルをユーザーが知らぬ間に公開するものだ。同氏は「Microsoftのアプリケーションだけでなく、環境全体を守ることが目標。日本特有の問題にも対応していく」と話した。
そのほか、2005年1月に米国でベータ版が公開された「Windows AntiSpyware」については、2006年中に日本語版が提供される予定。サーバ製品に対するスパム対策ソフトについても今後提供される計画だ。