サイボウズは10月24日、データベース(DB)・ソフトの新版「サイボウズ デヂエ 6」の販売を開始した。これまでデヂエは情報共有ソフトとして売り込んでいたが、新版では「お手軽Webデータベース」として、DB市場に本格参入する。
サイボウズは、デヂエ 6の直接の競合製品をファイルメーカーやMicrosoftのAccessを想定している。これらのDBソフトの場合、クライアントが必要となり、利用するには一定の技術がいる。サイボウズでは、デヂエ 6であれば他社製品ほどの技術がなくても、DBを構築できることがメリットだと強調している。
またデータを蓄積するという点で、表計算ソフトも競合製品にあるとサイボウズは見ている。表計算ソフトは、データの一元管理が難しいという点を指摘し、デヂエ 6であればデータの一元管理は簡単に実現できると、サイボウズは主張している。
デヂエ 6は、Windows、Linux、FreeBSD、Solarisの各基本ソフト(OS)別に用意されており、ウェブサイト上からダウンロードできる(60日間無償で利用できる)。これまでのデヂエはダウンロード数が毎月4000件となっているが、デヂエ 6では、毎月8000本を目標にしている。
価格はクライアントマシンの数に関係なく、運用するライブラリ(データベース)の数によって異なる。ライブラリ数が20までで年間10万5000円、60までで同28万3500円、90までで同44万1000円、120までで同56万7000円、ライブラリ数が無制限で同63万円となっている。
デヂエ 6では、新機能として「ソリューションパック」「コメント」「検索ルックアップ」「カテゴリービュー」を搭載している。ソリューションパックは、「デモライブラリ」と呼ばれるひな型を同梱し、ユーザーはデモライブラリをそのまま利用したり、一部を変更して利用したりできる。デモライブラリには社員名簿や日報、営業進捗管理、クレーム対応管理、商談報告書など11個が同梱されている。
コメント機能は、DBにコメントを書き加えられる。登録されたデータについてメンバー間で意見交換ができ、追加されるコメントは時系列に掲載されるため、議論の流れを簡単に見られる。またデータやコメントの更新情報はメンバーにメールやRSSで通知され、情報が放置されることはない。
検索ルックアップでは、ライブラリを参照(ルックアップ)し、手動で別のライブラリにデータを取り込む際、簡単に参照先のライブラリのフィールドを検索できるようになっている。これまでは参照先のライブラリを開いて、フィールドを調べる必要があった。
カテゴリービューは、マウス操作だけでさまざまなカテゴリー別のデータを閲覧できるようになっている。例えば営業進捗管理では、地区別ビューや所属グループ別ビューなどをプルダウンメニューを選択するだけで見られるようになっている。
サイボウズでは、これまでは直接販売が中心になっているが、デヂエ 6の販売を機に間接販売を強化していくとしている。サイボウズはパートナーの数を増やしていきたいとしている。ちなみに、デヂエを含むサイボウズ全製品を扱う「サイボウズ オフィシャルセールス パートナー」は15社となっている。
またサイボウズは、従来ウェブサイトで公開していたデヂエのマニュアルを書籍として12月上旬から発売する。情報リテラシーの低いユーザーでも使えるためには、書籍として流通させた方が効果的との判断からだ。マニュアル書籍「サイボウズ デヂエ 公式完全マニュアル」の予定価格は、3200円となっている。
さらにサイボウズでは「データベースで恋の花咲く時もあるキャンペーン」という名称のキャンペーンを、10月24日から11月30日まで展開する。ウェブサイトのアンケートに答えたユーザーに抽選でプレイステーション・ポータブル(PSP)などをプレゼントする。