Microsoftは、「Office」の次期バージョンにおける重要な強化点の1つとして「ビジネスインテリジェンス」を挙げており、ユーザーが重要な企業データを簡単に利用できるようにしたいと考えている。同社は米国時間24日に、この分野における計画の一部を明らかにする予定だが、この計画のなかにはExcelの表計算シートを管理するための新しいサーバベースのシステムも含まれている。
同社は「Office 12」で、中央サーバに表計算シートを保存し管理できる機能を追加する。この機能により、顧客企業ではさまざまな社員がどのデータを利用できるかに関するルールを規定できるようになる。Microsoftはこの新機能の売り方について、いまだにはっきりした方針を打ち出していないが、以前にこのサーバベース機能である「Excel Services」が、今後登場するSharePointの一部として出されると述べていた。
現在、Microsoftには「SharePoint」の名称を使った製品が2つある。その1つは「Windows SharePoint Services」というものだが、これは「Windows Server 2003」用に無料でダウンロードできるアドオンで、ファイル共有とポータルに関する基本的な機能を提供する。また、それとは別に、同社は「SharePoint Portal Server 2003」というさまざまなサーバソフトウェアをパッケージ化した製品も販売している。なお、同社の関係者はExcel Servicesの提供方法に関してコメントを差し控えた。
Microsoftは24日に、デスクトップで使用するExcelに追加される新しい機能も発表するが、このなかには強化されたデータ視覚化ツールや、SAPやOracle、Siebel Systemsなどから出ているバックエンドソフトウェアなどのサーバ用アプリケーションとの接続を維持するための機能もある。
Microsoft幹部らは、これらの強化点について、すべてが自社のビジネスの状況を理解するのに必要とされるデータにアクセスできる従業員の数を増やすために設計されていると説明する。
「いままでは、ビジネスインテリジェンス用ソフトウェアはあまりに複雑で、値段も高過ぎた。また、人々が仕事をこなすために毎日使うソフトウェアツールから切り離された存在だった」とMicrosoftのBusiness DivisionプレジデントJeff Raikesは声明のなかで述べている。
同社はまた、Office 12でまったく新しいユーザーインターフェースを導入する準備も進めている。新しいOfficeのベータバージョンは11月に登場すると見られており、正式版の登場は2006年後半に予定されている。
また同社は11月1日に、「Microsoft Office Business Scorecard Manager」も発売する。重要なビジネスデータの監視に使うこのサーバベースのプログラムは以前に発表されていたものだ。同製品の価格は、サーバソフト代金5000ドルに、サーバへ接続するユーザー1人あたり175ドルを足したものだとMicrosoftは説明している。
Microsoftはこのスコアカード用ソフトウェアの2つめのベータバージョンを7月にリリースしていた。なお、IBMでも「Websphere」製品の1つとして、独自の企業ダッシュボード用ソフトウェアを投入することになっている。
すでにビジネスインテリジェンス用ソフトウェアを出しているBusiness Objectsでは、Microsoftによるこの動きをそれほど重視していない。
「顧客は自社にあるすべてのデータを利用したいと考えているが、Microsoftはこの点で常に苦戦を強いられるだろう」とBusiness Objectsの最高マーケティング責任者(CMO)Rene Bonvanieは述べている。「自社の業績に対して100%の責任を負う人間にとって、40%のデータしか見られないのでは、何の意味もない」(Bonvanie)
Bonvanieは、Business Objectsが自社の縄張りを守るつもりであることをはっきりと口にした。「これはわれわれの市場であり、Business ObjectsはMicrosoftのプラットフォーム上でさえ、何倍も規模が大きい」(Bonvanie )
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ