サン、「UltraSparc T1」チップ搭載の新サーバを発表

Stephen Shankland(CNET News.com)

2005-12-07 19:37

 Sun Microsystemsは米国時間6日に、ニューヨークで「UltraSparc T1」プロセッサを搭載する新サーバを発表した。この新製品は、同社の核となる顧客を満足させることで、低迷を続けるサーバビジネスを立て直すための取り組みの重要な部分を担うものだ。

 「Sun Fire T2000」および「T1000」に搭載されたUltraSparc T1プロセッサ(開発コード名「Niagara」)は革新的な設計の製品で、Sunではこのプロセッサを投入することで市場シェアの低下が続くSparcファミリーを立て直したいと考えている。Niagara搭載システムは、Sunは3カ月前に発表した「Galaxy」シリーズのx86サーバに続く、同社の新しいサーバ製品群の第2弾となる。

 厚さ3.5インチのT2000は、7795〜2万5995ドルの価格ですでに発売になっている。一方のT1000は、2995〜1万995ドルの価格で2006年第1四半期に発売される。T1000は、厚さがT2000の半分で、T2000に搭載されている予備コンポーネントは省かれている。

 Sunは当初、このシステムの用途として、ウェブページの配信といったローエンドのタスクを想定していた。しかし、同社が徐々に野心を広げた結果、T1搭載マシンはJavaサーバソフトウェアやミッドレンジのデータベース、IBMのLotus Notesのような電子メールサーバソフト、そしてSAPの会計/在庫ソフトウェアなどの運用にも適している、とされるようになった。

 同社CMO(最高マーケティング責任者)のAnil Gadreは、「製品ラインアップの再構築はこれで完結すると思う。Niagaraの投入で、Sparcの長期的な方向性に対する新たな信頼が深く浸透していくと思う」と語っている。

 Sunにはそうした信頼を取り戻す必要がある。ドットコムバブルの崩壊にスケジュールの遅れや思わしくないパフォーマンスが重なり、Sunの信頼は地に落ちてしまった。その結果、SparcシリーズはIBMのPowerプロセッサや、IntelおよびAdvanced Micro Devices(AMD)が出しているx86プロセッサに苦戦を強いられてきていた。

 Sunのサーバの売上高は、2005年第3四半期には7.6%減の10億5000万ドルとなったが、これに対し同期におけるIBM、Hewlett-Packard(HP)、Dellの売上の伸びは、5.6%という市場全体の成長ペースをそろって上回った。さらにSunは、自社が好んで力説する出荷台数でも上位3社のライバルや市場全体に遅れを取っていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    標準化されたOS「Linux」で実現するIT環境の効率化、検討すべき9つの事項とは

  2. クラウドコンピューティング

    CentOS Linuxアップデート終了の衝撃、最も有力な移行先として注目されるRHELの今

  3. クラウドコンピューティング

    調査結果が示す「Kubernetes」セキュリティの現状、自社の対策強化を実現するには?

  4. OS

    Windows 11移行の不安を“マンガ”でわかりやすく解消!情シスと現場の疑問に応える実践ガイド

  5. 運用管理

    AWSに移行することのメリットと複雑さ--監視ソリューションの導入から活用までを徹底解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]