Microsoftの幹部らによると、同社がOfficeのファイルフォーマットを標準化することに決めたのは、顧客--特に長期的な情報を保管する必要のある各国政府が、Microsoftに依存せず何年にもわたって文書の中味を見られるようにするためだという。
Yatesは声明のなかで、「ECMA InternationalがOffice Open XML Formatと完全互換の正式な標準を策定する目的で技術委員会を設置したことは、顧客と業界が、長期的に有効な相互運用性の実現に一歩近づいたことを意味する」と述べている。
MicrosoftはECMAの委員会設置と歩調を合わせ、Office Open XMLフォーマットで同社が用意した法的枠組みに関する新たな詳細を明らかにした。
同社はFAQを用意し、同ファイルフォーマットの利用を望む第三者に著作権の使用料を課すことなく利用を認めること、そして自社が特許権を持つOffice技術の利用に関して訴えを起こさないことを明らかにした。
Microsoftはまた、計画発表時からの疑問に答え、ライセンススキーマでオープンソース製品の開発を認めることを明らかにした。
「(オープンソースの)General Public License(GPL)は人によって解釈が異なってくるため、われわれの言葉とGPLなどの各種OSS(オープンソースソフトウェア)ライセンスとの関連について法的な見解は示せない。だが、先に示したライセンスの最も重要な反対理由については、かなり簡単明瞭な形で排除できたと考えている」(MicrosoftのFAQ)
MicrosoftはECMAの提案に関して、Apple Computer、Barclays Capital、BP、大英図書館、Essilor、Intel、NextPage、Statoil、東芝などの支持も得ている。
一方、OpenDocumentを支持する側では、ECMAの取り組みに関しいくつかの点に抵抗姿勢を見せている。たとえば、IBMは8日にOffice Open XML委員会の設置に対して反対票を投じていた。また、Hewlett-Packardはこの投票を欠席していたとIBMのある関係者は述べている。
MicrosoftがECMAに標準への採用を願い出たことについて、ボストンにある法律事務所Gesmer UpdegroveのパートナーであるAndy Updegroveは、「特定のベンダーのソリューションにお墨付きを与えることを求めた、あからさまな要求」と呼んでいる。UpdegroveはOpenDocument標準を策定したOASISの弁護士を務める人物だ。
これと対照的に、マサチューセッツ州当局はMicrosoftによる標準化の計画に対して肯定的な反応を示している。Open Office XMLが標準として承認されれば、Microsoftは同州の州政府関係機関の契約獲得で競争できることになると、同州知事のMitt Romneyのオフィスで働く関係者は述べている。
Microsoftはこれまで、OpenDocumentフォーマットをネイティブでサポートせず、代わりにサードパーティ製品で対応するとの意向を示していたため、同州のソフトウェア調達プロセスから実質的に閉め出されていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ