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低コストでオフコン情報を集約し、予算編成の期間を半減(後編) - (page 2)

小林正宗(月刊ソリューションIT編集部)

2005-12-27 10:00

eLECTRANの導入により
予算編成期間が2分の1に

 売上予算編成システムの構築では、営業マンがさまざまな切り口で予算案を立てられるよう、オフコンの画面を追加で作成。eLECTRANサーバーに画面を追加した(図2参照)。

図2 売上予算編成システムの構成

 プロジェクトは、途中でアクセス権限を付与するなどの要件変更もあり、やや当初の予定より遅れたものの、大きな問題はなく3カ月で終了した。そのうち、eLECTRANの導入は100万円程度の費用で済んだという。

 新システムの導入により、予算編成の期間は大幅に短縮した。紙やExcelを使っていたころは、最短2カ月かかっていたが、それが1カ月程度になった。また、全営業マンがオフコンにある同じDBを参照するため、数値の正確性が向上。記入漏れやミスが激減したのだ。ウェブ画面を採用しているので、エンドユーザーは直感的にプルアップ・プルダウンを実行してデータを参照でき、過去の成績や別の営業所のデータと比較しながら、編成できるようになった(画面3参照)。いわば、オフコンをBIツールのように使えるようになったのだ。

画面3 売上予算編成システムの画面

 システムの最大の特徴は、シミュレーション機能だ。営業マンは、自分の顧客上位5社をリストアップしたり、予算編成をシミュレーションできるようになった。ある営業所の売上目標額を上げた場合、他店舗の目標はどう変化するのか即時に表示するため、打ち合わせにかかる時間が大幅に短縮できたという。これは、システム統括部にとっても大きなメリットだ。オフコンへのデータ入力の手間が省けるほか、予算金額のチェック時間が省略できるからだ。

 草野部長は「従来は、年間の予算編成に時間がかかっていたため、それに合わせて役員会が開かれていました。次の期に入ってから、役員が予算について話し合うのはおかしな話ですが、システムの都合でそれを余儀なくされていたのです。これが改善できたことが、経営への大きなインパクトでした」と話す。

 システムの導入当初は、予想外のアクセス数が発生したため、レスポンスが遅くなり、システムがダウンしたこともあった。そこで、営業所ごとに利用時間を区切り、休日にもシステムを使えるようにするなど、運用で乗り切った。今期の予算編成ではトラブルがないよう、システムをチューニングし、レスポンスを向上させている。今年度からは、部だけでなく、課単位での売上伸長率を考慮しながら予算を編成する方針だ。

既存のオフコン資産は
当面利用する方針

 今後のシステム開発について、草野部長は「あくまで、経営層を含めたエンドユーザー視点での開発に注力していきます。利用者の利便性を損なうような、むやみなオープン化は進めない方針です」と言い切る。

 たとえばリリカラの受注業務をみると、繁忙期には1時間に約3000件の注文が集中する。1日4回、2時間おきに自社から商品が配送される。EDI(Electronic Data Interchange)を使った取引先からの注文はごくわずかで、ほとんどが電話やFAXを使う。これらをウェブ化するとなると、数十億円のコストがかかるのは避けられない。また、それらが確実に動き、エンドユーザーに受け入れられるという保証もない。30年間ノウハウを蓄積してきたオフコンを使い続けるほうが、信頼性が高く、トラブルが少ないと判断している。

 システム統括部では、今後も全体最適の目線を重視しながら、レガシーシステムとウェブシステムを使い分けていく方針だ。

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