チャンス
これらの3つの信条は、ソフトウェアを取り巻く状況を大きく変えようとしている。この変化は消費者向けの製品から、徐々にエンタープライズ製品に広がり、ソフトウェアの収益モデル、流通モデル、そして最終的に選ばれるソフトウェアを変えつつある。われわれは多くの市場で、膨大な数のユーザーに、多様な製品とソリューションを提供している。そう考えると、われわれはシームレスなエクスペリエンスを提供するよい位置につけているといえるかもしれない。そのためには、下記のようなサービスやサービスによって拡張されたソフトウェアをユーザーに提供する必要がある。
「シームレスなOS」--複数のPCやデバイスが共存する今日のウェブベースの環境では、あらゆる場所がオフィスとなる。ユーザーはサービスIDや企業IDを使って、OSにログインする。ソフトウェアはデバイスに合わせて自動的にインストールされ、アプリケーションのデータや設定はローミングされる。保存領域にはどのPC、デバイス、サーバ、ウェブからでもシームレスにアクセスすることができる。
「シームレスなコミュニケーション」--音声、共同編集ページ、PC、サービスベースのエージェント、電話など、さまざまな方法でコミュニケーションや通知を行うことができる。親しい友人や家族とはいつでも空間を共有できる。情報の時差がなくなり、文脈を共有することで、話が通じやすくなり、関係者とスムーズに連携できるようになる。
「シームレスな生産性」--アクセス可能なすべてのデスクトップ、デバイス、サーバ、およびサービスで、文書やデータを作成、検索、整理することができる。インターネットサービス、エンタープライズサーバ、またはピアツーピアで直接アクセスできる「空間共有」製品を通して、すべての関係者と連携することができる。自宅、中小企業、仮想ワークグループ、大企業など、あらゆる場で個別に、あるいは相互に協力しながら作業をすることができる。
「シームレスなエンターテインメント」--あらゆる種類のメディアを作成、保存、整理、提供、消費、および交換することができる。これらのメディアには、それがどこに保存されているかを問わず、好きな場所からアクセスし、キャッシュに格納し、閲覧することができる。PC、デバイス、およびウェブを利用して、2人でゲームをすることもできれば、200万人とゲームをすることもできる。
「シームレスな市場」--購入、請求、支払い、ポイント、広告、リード・ジェネレーション、および販売管理のシステムをシームレスに統合し、買い手と売り手の両方のニーズを満たす。このシステムを使えば、あらゆるものを調べ、発見し、売り、買うことができる。
「シームレスなソリューション」--テンプレートを用いた半構造のデータベースアプリケーションとソリューションを迅速に作成またはカスタマイズできるようにする。これらの「使える」アプリケーションやソリューションは、ウェブ、エンタープライズサーバ、または携帯端末から利用することができ、ワークグループや企業に瞬時に価値を提供する。
「シームレスなIT」--従来はデータセンターの内部で行われていたようなこと(PC、メッセージング、コンテンツ、アプリケーションなど)を、企業がシームレスに、かつコスト効率の高い形で管理できるようにする。作業は完全にネットワーク内で行われるか、ネットワークをエンタープライズサーバとシームレスに統合することによって実現される。
前に向かって
これらの基本的な信条の基本的な要件を満たすためには、各事業部は既存の計画を見直し、現在の設計がユーザーにエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供するものとなっているかどうかを分析し、サービスがどのような影響をもたらすのかを理解しなければならない。各事業部は新しい供給/採用モデルが計画に及ぼす影響と、広告を収益源とする新しい収益モデルの妥当性を検討する必要がある。
われわれが占めている場所と、占めるべき場所を考えれば、何らかの措置を講じる必要があることは明白だ。しかし、われわれはすでに多くの分野で、製品と技術インフラの80%を構築している。あとは残る20%を埋めるだけだ。「サービスによって拡張されたソフトウェア」という発想を定着させるために、各事業には何ができるのかを考えてみたい。