フリーソフトウェアの原則が優先に
Stallmanは、哲学的および学究的な興味から1980年代にフリーソフトウェア・ムーブメントを立ち上げた。しかし、1990年代になってLinuxなど各種のGPLソフトウェアの商用化が進むと、IBMなどの大手企業の利害が絡むようになった。
FSFでは企業の関与を歓迎しているものの、主導権を握るのは常に自分たちだと考えている。
「GPLの修正は、いかなる理由があっても知識の自由なやりとりという基盤を妨害してはならない。GPLは、『トラステッドコンピューティング』や特許法の範囲拡大のように、自由を損なう可能性の高い、技術的あるいは法的手段の確認を行ってきた。このことを中心に、産業的あるいは商業的な結果を中心に考えるのではなく、政治原理や活動のニーズの観点からこれらの問題に取り組む必要がある」とFSFはGPLの背景を記した文書のなかで述べている。
同グループはまた、Lesser General Public License(LGPL)の改訂にも取り組んでいる。LGPLはGPLから派生したライセンスで、オープンソースとプロプライエタリなソフトウェアモジュールとの密接なつながりを認めている。LGPLの草案は、GPL改訂プロセス開始後に公表される可能性がある。
派生ライセンスの改訂は優先事項とされるべきだとCareyは言う。「GPLよりもLGPLのほうが心配だ。LGPLにはすでに10回も目を通しているが、いまだにそれが何を意味しているのかが分からない。法律家でありプログラマーでもある私に理解できないものを、他の人間が理解できるとは思えない。GPLにある使い勝手の良さが、LGPLには欠けている」(Carey)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ