Microsoftが、中小企業向け会計ソフトウェアの売上を増やすべく、大幅な値下げ戦略に出ている。
同社は米国時間1月16日、「Small Business Accounting 2006」を従来より100ドル安い価格で提供し、かつ、1年間のサポートサービスを無料提供すると発表した。先週末、CompUSAのウェブサイトには、この100ドルの割引と、30ドルの郵送リベートを適用した後の価格が49ドルになると書かれていた。
Microsoftは値下げを実施した理由について、同製品の認知度を高めるためであって、売上不振を打開するためではないと述べている。
Microsoft Business部門のプレジデントを務めるJeff Raikesはインタビューに応じ、「われわれは長期的な視野で取り組んでいる。一朝一夕にして、大きな市場シェアを獲得できるとは考えていない。長期的な目標に向かって早めに弾みをつけ、達成に向けた土台を築きたい」と述べた。
2005年9月に発表されたSmall Business Accounting 2006は、IntuitのQuickBooksや、Peachtreeの会計ツール商品ラインなど、市場で一定の地位を確立した商品と競合する。
アナリストらは、Microsoftがこの市場で苦戦を強いられていると指摘する。NPDによると、11月の小売販売のうち93.7%をIntuitのQuickBooksが占めていたという。またPeachtreeのシェアは4.5%、Microsoftのシェアは1.3%だった。
NPDのアナリストChris Swensonは、「Intuitはおそらくほっと胸をなでおろしていることだろう」と言う。だが一方で同氏は、Microsoftがあきらめるとは考えられないと述べる。「Microsoftは自社が投入した製品について、その弱点を見つけ出し、改善していくだろう」(Swenson)
Raikesは、売上が予測通りに推移していると述べたが、具体的な数字は明かさなかった。Microsoftは、今回の割引や、それに伴うマーケティング活動などで、1000万ドルの費用がかかると見込んでいる。同社はすでに、同製品の開発やマーケティングに1億ドルを支出している。
「値下げをすると中小企業の目に留まりやすくなるというのは、これまでの市場動向からも分かっている」(Raikes)
Raikesによると、Microsoftでは同製品の売上のほとんどが、会計ソフトウェアを所持しない中小企業顧客によってもたらされると予測していたが、実際はQuickBooksユーザーへの販売が、売上の半分を占めたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ