Agassiは、詳細でわかりやすい販売プロセスを把握したいと考える顧客であれば、SAPのCRMソフトウェアライセンスを購入するようになる可能性はあると述べている。
Dupontは、SAPのオンデマンドCRMサービスを契約した企業の1つだ。同社のIT部門でセールスおよびマーケティング担当ディレクターを務めるMike Michlovichは、「われわれは、既存システムやSAPのバックオフィスソフトウェアの情報をどうやって販売チームに利用させるかという問題を抱えており、これを解決するためにSAPの同サービスの採用を検討した。低価格であること、短期間で統合できることを条件として挙げた」と話した。
段階的なサービス投入を予定
SAPは米国時間2日に、同社のオンデマンドCRMサービスにおけるセールス用モジュールも発表した。SAPは同様のモジュールを、今後6カ月以内に3段階に分けて投入する予定で、今回のリリースはその第1段階である。この段階では、例えば企業が販売活動における連絡先情報を管理できるようになることなどが目標とされている。
第2段階としては、2006年第2四半期に「SAP Marketing」オンデマンドサービスがリリースされる予定だ。同サービスには、リードマネジメントやパイプラインマネジメントに関する機能などが含まれている。第3段階では、2006年第3四半期に「SAP Service」オンデマンドが発表される。これはコールセンター管理といった分野に関わるものである。
SAPによれば、1ユーザー当たりのサブスクリプション料金は、利用を希望する機能によって月額75ドルから125ドルの間になるという。
Boisは、上記の3つのモジュールがすべて提供されるようになるまでは、SiebelやSalesforce.comのオンデマンドサービスユーザーがSAPへ乗り換えることはないだろうと指摘している。
「SiebelやSalesforceが完全な機能を提供できていることから、ユーザーにとってSAPへの移行は、現時点ではそれほど魅力的ではない」(Bois)
SAPが発表した初期サービスには、他の競合社がすでに提供している先進的な機能が欠けていると、Boisは言う。「SAPが他社に追いつくにはまだなさねばならないことが多々あるが、市場参入の第一歩はうまく踏み出せたと思われる」(Bois)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ