--65ナノメートルプロセス技術の導入に関して、先行するIntelの優位を指摘するアナリストもいますが。
その指摘については、言いたいことが2つあります。1つは、Intelが65ナノメートルプロセス技術で製造したプロセッサを出荷する時期について、そしてもう1つは、Intelが実際に約束通りの数量を出荷できるようになる時期についてです。AMDの方針は、Intelとは根本的に違います。AMDには、最新テクノロジーに飛びつくようなことは避け、少し遅れて採用するという傾向があります。われわれが注力するプロセスは、自動化された高精度製造とわれわれが呼んでいるものです。これによって、一般的なシリコンレイヤーの製造ライン稼働時よりもずっと厳密な製造プロセスを実現できるからです。
新しい製造技術の導入から、それを使って製造されたチップの数量が採算ベースに乗るまでにかかった時間という点から歩留まり曲線を見ると、その期間はAMDのほうがずっと短いのです。そのため、私には、新技術を導入するタイミングはかならずしも重要ではありません。チップの数がとても限られていても出荷するという考え方もあるでしょうし、また業界全体に行き渡るだけの量を確保できる次期をまって出荷を始めるという考えもあると思います。
その観点から見ると、われわれはあるべき位置につけていると思います。つまり、われわれはうまくやっているということです。そのほか、エンドユーザーは性能を基準にチップを選んでおり、それがどんな技術を使ってつくられたかなどは気にしていません。
--あなたの前任者であるFred Weberは、多くの人から「Opteronの生みの親」と呼ばれています。Webberとはどんな話をしましたか。また、何かアドバイスはありましたか。
Fredと私は、かなり前からの知り合いなので、彼がAMDを辞めてベンチャーキャピタルの世界に飛び込むと聞いても驚きませんでした。彼の考えでは、私は彼の築いたものを土台にしてやっていけばよいということでした。
--彼はあなたの肩に手をまわし、「なあ、よく聞いてくれ。私はこれに一生懸命取り組んできた。それを台無しにするようなことはしないだろうね」という類いのことを言ったんですか。
Fredは素晴らしい仕事をしました。私はそれを台無しにするようなことはしません(笑)
--新しいチップにどんな機能を搭載すれば、DellのCEOであるKevin Rollinsを心変わりさせることができると思いますか。OpteronかAthlon、あるいはTurionについてでも構わないので教えてください。
まったくわかりません。KevinがAMDについて下した決断は、ビジネス的なものであり、技術的なものではないと思います。これは私の個人的な意見ですが。
--DellがAMDのチップを大量に採用すると仮定してください。その場合に生まれる大量の需要に応えることが可能かどうかについて、あなた個人の意見はありますか。ドレスデンの工場「Fab36」が稼働する前の話ですが、AMDのチップ生産能力が追いつかないのではないかという懸念の声が一部にありました。
そういった懸念はもうないと思います。われわれは、期待する以上の生産量を維持するために必要な、工場の生産能力と、生産における柔軟性の双方について、既にアナリストに説明しています。