--Intelが行った変更は、今年そして来年に大きな影響を与えると思いますか。同社は最近、マーケティング資料で「ワット当たりのパフォーマンス」を前面に押し出していますが。
Intelはそういった言葉を宣伝目的に利用しているのでしょう。テクノロジーに関しては、彼らは少しずつ改良を行っていくことになるでしょうが、しかしフロントサイドバス(FSB)アーキテクチャ(プロセッサと、コンピュータのメモリシステムやその他のコンポーネントをリンクするデータ経路)は変わらないということが問題となります。FSBのスピードを微調整するといったことはできますが、Niagaraではメモリコントローラをボード側に取り込んでいるのです。メモリ遅延を抑えることができれば、ほとんどのものはより高速に稼働します。(Intel製品では)メモリ遅延が改善されることはありません。私は、IntelとAMDのアプローチの違いが大きく変化することはないと思っています。
--AMDは65ナノメートル製造技術への移行でIntelに遅れをとっており、価格面でその影響が発生することになります。これについて懸念を抱いていますか。
Intelは(65ナノメートルプロセスといった)製造技術に関しては世界一です。とはいえ、結局のところ、技術的なアーキテクチャやその技術がもたらすものが、ナノメートルプロセス技術と同じか、あるいはそれ以上に重要なのです。
AMDの有利な点として、ボード上にメモリコントローラを搭載しているため、(メモリの)キャッシュサイズを小さくできるという点があります。これによって、1MBのキャッシュでも高い処理性能を実現できます。その結果、AMDはチップ上に8MBのキャッシュを搭載する努力をしなくても済むことから、同じ価格を維持するのにウェハー1枚当たりのチップ数を同じにする必要がありません。それに対して、Intelは大きなキャッシュを搭載する必要があるため、65ナノメートルの製品が必要となるわけです。
--Sunの主な顧客は大企業です。HPのx86における強みに対抗しようとすれば、中小企業をターゲットにする必要があります。
われわれは、従業員が1000人以上の企業、そして米国外では500人以上の企業とのチャネルやパートナーシップを確立済みです。われわれは成長に合わせて、この対象範囲を拡大していくことになります。
われわれは、競合企業に対して健全な尊敬の念を抱いています。私は攻撃的な人間ではありません。話し方を聞いて私を粗野な人間だと思われるかもしれませんが、社内でのアプローチは異なっています。例えば、われわれは製品戦略において、単に市場の分析や規模に基づいて製品をつくり上げるのではなく、新たなテクノロジーや、SolarisといったSunのテクノロジーを考慮に入れました。また、われわれのエンジニアリング戦略では、成長が期待される分野に着目しています。IDCによる従来の分析では、8ソケットのx86市場はあまり大きくありません。しかし、われわれはテクノロジーのトレンドや、Solarisや仮想化に目を向け、これらの市場は大きく成長するという結論に達したのです。
--あなたはAMDチップを好み、汎用目的のコンピューティングに適しているとおっしゃいました。しかし、IBMであなたと同様の立場にあるSusan Whitneyは異なる見方をしており、Opteronは高い処理性能が要求されるテクニカルコンピューティングというもっと小さなセグメントにのみ適していると発言しています。なぜでしょうか。
Opteron製品を販売していない企業としては、そのように発言しておく必要があるのでしょう。例えば、Opteronサーバを用いたSQLサーバソフトのベンチマーク(もしくは)ディレクトリサービスに目を向ければ、その商用ベンチマークは説得力があります。そして、ビジネス分野の人々は常にワット当たりのパフォーマンスにこだわります。また、エンタープライズコンピューティングや、高い処理性能が要求されるコンピューティング分野以外の人々からも多くの関心が寄せられています。結局、私の言葉と彼女の言葉のどちらを信じるか、ということだと思います。