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「データ分析」を超える:“再離陸”するビジネスインテリジェンス(1) - (page 2)

田中好伸(編集部)

2006-02-28 06:09

欧米と日本で異なるBIユーザー

 日本で高まりを見せるBIだが、企業の誰がBIを使っているのかという点で、欧米と日本とでは大きな違いが存在する。米Gartnerが2004年に行った調査によれば、経営者層のBI利用率は北米で72%、欧州で67%、日本で77%とそれほどの違いはない。しかし、一般社員での利用率が北米5%、欧州6%であるのに対して、日本の場合28%となっているのである。

 また、現場マネージャの利用率を見ると、北米56%、欧州76%、日本64%となっている。この利用率だけを見ると、大きな違いは存在しない。だが、同調査では利用者数の中央値も出しており、現場マネージャの利用者数の中央値は、北米30人、欧州10人に対して、日本は53人となっている。ここも大きな違いである。

 アナリストの利用率という点では、北米73%、欧州60%に対して、日本では13%となっている。ここでも大きな違いが存在していることが分かるだろう。これは、北米、欧州ではどちらも企業としてデータを分析する専任のアナリストを多く抱えていることに由来するものだ。これに関連して、かつてのBIツールベンダーは、BIツールをアナリスト向けのツールとして売り出していたことも影響している。

 このように考えると、企業内でのBIツールの位置付けは、欧米と日本とでは、若干異なっていると言うことができるだろう。調査結果について堀内氏は、「欧米企業の場合、『経営幹部、アナリスト、現場マネージャ』の順番でBIが展開されていったことによって、BIのユーザー層は比較的限られている」と説明する。それに対して、「日本企業の場合、先に挙げた現場マネージャの数値を考えると、比較的広い範囲の管理者層と一般社員に利用されていると分析できる」(堀内氏)。

 「2005年に日本独自にほぼ同様の調査をしたが、その結果とあわせて考えると、日本企業でのBIツールは、経営者やアナリスト向けというものではなくて、より広いユーザー層で活用されるべきものであるという認識を持つ必要がある」(堀内氏)

CPMとBAM、アナリティクス

 現在、BIに対する注目が高まっている要因には、「CPM」や「BAM」、「アナリティクス」といった新しい概念が広まりつつあることも挙げられる。CPMやBAM、アナリティクスはBIと密接にかかわってくるためだ(アナリティクスについてはこちらを参照)。

 CPMは「Corporate Performance Management」の略称であり、日本語では「企業パフォーマンス管理」と訳されることが多い。このCPMは、企業全体の戦略や業績を管理する手法とも言え、その基盤としてBIのインフラストラクチャが利用されるのである。米Gartnerでエンタープライズオペレーショングループに所属し、リサーチバイスプレジデントを務めるNigel Rayner氏は、CPMの定義について「企業パフォーマンスの監視や管理に必要なすべてのプロセス、方法論、評価基準、システムが含まれる包括的な用語」と説明する。

 これまでBIは在庫管理や販売管理、投資ポートフォリオ分析など現場レベルにおける特定の問題を解決するために使われることが多いと言われている。しかし、「BIは必ずしも短期的、あるいは戦術的な目的に限定されるものではなく、企業全体の経営改善、競争力強化のために使うこともできる」(堀内氏)という。つまり、これまでのBIは現場レベルのボトムアップ型展開で使われることが多かったが、逆にトップダウン型で全社的な競争力を改善するためにも活用できるのである。

 「CPMは、BIのトップダウン型展開の典型例と言える」(堀内氏)

 BIと密接にかかわるもうひとつのBAMは、「Business Activity Monitering」の略称だ。これは、業務プロセスを常に監視して、事前に定めたルールにあった現象が発生すると、即座に担当者にアラートを発する、あるいは経営者が見るダッシュボードに情報を表示するという仕組みだ。つまり、BAMはBIにリアルタイム性を求めた仕組みだとも言える。またBAMは、ビジネスプロセス管理(BPM)と連動して業務プロセスを自動化させることで、より効率的な業務をこなせるとも期待されている。

 ここまで、現在のBIを巡る状況を整理してきた。次回以降は、日本企業の導入事例、またBIが今後企業にどのような影響をもたらすのか、将来のBI像などをまとめていく(企業がBIを導入、活用するうえで注意すべき点をまとめたホワイトペーパー、CPMやBAMとともに現在市場で注目されるアナリティクスなどについて解説した「BIで次の一手を決める――アナリティクスがもたらす未来」もあわせてご覧下さい)。

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