モジラ財団、開発者コミュニティへの資金援助を計画

文:Ingrid Marson(ZDNet UK)
翻訳校正:坂和敏(編集部) 2006年03月23日 10時43分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Mozilla Foundationは米国時間3月21日、数百万ドルに上る同財団の利益の一部を、開発者コミュニティで活発な活動を行うメンバーへの援助に使うという計画を発表した。

同財団の2004年の利益は580万ドルで、2005年の利益は数千万ドルに達したと言われており、そのほとんどはGoogleやYahooといった検索企業とのパートナーシップからのものとなっている。そして、利益の大部分はユーザー開拓のために使われたものの、いくらかは積立金に回されている。

 Mozilla Foundationの営利目的の子会社Mozilla CorporationでCEOを務めるMitchell Baker氏によれば、Mozillaは余剰利益の一部をコミュニティに還元することを計画しているという。

 「Mozilla Group(Mozilla FoundationとMozilla Corporation)は、何かを成し遂げる上で重要な役割を果たす従業員を抱えているが、彼らはプロジェクトの一部を構成しているに過ぎない。われわれの組織外では数多くのことが起こっている」とBaker氏は述べている。「われわれは事業の運営に必要な額以上の資金を手にしており、その一部はコミュニティメンバーに還元されるべきだと表明している。そしてわれわれは、コミュニティの活動を促進するやり方でこれを還元したいと思っている」(Baker氏)

 Baker氏は、この還元がいつ頃行われるかはまだ決まっていないが、現在は資金の分配方法についてのモデルを検討している段階であり、「近いうち」にコミュニティに対して資金を還元できるはずだと述べた。また同氏によると、こういったモデルに対して意見を述べる機会がMozillaコミュニティにも与えられるという。

 「オープンソースコミュニティには、われわれが参考にし、真似ることができるようなモデルは存在していない」とBaker氏は言う。「開発プロジェクトの参加者は世界各地にちらばっており、行っていることもさまざまだ。われわれは、彼らが納得するようなモデルを作る必要がある。モデルを構築し、それについて大々的なPRイベントを開催し、資金を分配した後で、効果がなかったとか、資金がふさわしい人々の手に渡らなかったとかいう結果に終わることは避けたいと思っている」(Baker氏)

 過去には、JBossやMySQLといった多くのオープンソースプロジェクトがその利益を使ってプロジェクトの参加者を募ったことがあるものの、コミュニティに直接還元されるというのは比較的珍しいことだとRishab Ghoshは述べている。同氏は、オランダの研究機関MERITで、EUからの資金供与を受けたオープンソース研究のプログラムリーダーを務めている。

 「Mozillaは、エンドユーザーにも非常に高い認知度がある製品を持ち、また同財団が相当な額の売上を稼いでいるという点で、各種のオープンソースプロジェクトのなかでもどこか毛色の変わった存在だ。他のオープンソースプロジェクトでは、売上を上げているのは企業を含む個々のプロジェクト参加者(contributor)である場合がほとんどで、開発者はコンサルティング業務をやったり企業で働いたりしてお金を稼いでいる。そうしたことから、Mozilla Foundationが特定の個人開発者への資金提供を検討しているというのは非常に素晴らしいことだ」とGhosh氏は電子メールのなかで述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
ビジネスアプリケーション

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算